自分自身の言葉を探して。

落語を辞め、今はギリギリ食べていけるだけの無名声優、各務悠貴。
上っ面だけの嘘を喋っている現状に溺れかけているような中、彼は不思議な女性に出会います。最初は野良犬のような印象の女性は、各務の中で徐々に変化していきます。するりと、人の内側にもぐりこむような、それでいて不快でない、そんな不思議な女性なのです。

どうしても手の届かないものに心が抉られる感覚。
そんなものを抱えながら、各務の心はどこへ向かうのか?

心の機微が丁寧に描き出されているお話です。
演劇や声優の舞台裏なども描写されていますので、お仕事に興味を持っている方にも、お薦めです!

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