当時女子高生であった作者さんは高校一年生にして単位不足という危機的状況に至ります。
打開策としてレポート提出を課された彼女が出逢ったのは、のちに「ニセ祖父」となるOセンセイの著作でした。
彼に興味が湧いた作者さんは思わず勢いで手紙を送ります。
その手紙がどんな事態を引き起こすか予想もせずに……。
本を通じて巡り逢った大学助教授と女子高生の交流を描いた実話です。
実際にこんなことあるんだ! という驚きとともに、読み進める度にふたりのやりとりから垣間見えるあたたかい感情が胸を打ちます。
自分もまた頑張ろう、そんな風に思える素敵なエッセイです。是非。
女子高生の時、単位を取得するためのレポートの資料として手に取った一冊の本。それに感銘を受け、著者に手紙を書いたところから縁が繋がり始まった、Oセンセイとの交流を描いたエッセイです。
メールもLINEのない時代の、文通での交流です。意外にもちょっと可愛いメイリオで打たれたワープロ文字で届くセンセイの手紙……実際に手にすることのできる便箋の重みを思い出し、あの頃のやり取りがとても懐かしくなりました。
全く知らなかった相手と、思いがけなく不思議な縁で繋がる。それは運命だったかもしれないし、偶然だったかもしれないけれど、とても素敵なものだったということは間違いありません。
この不思議で素敵なご縁を、皆さまもぜひ垣間見て、その大切さを感じてみてください。
お薦めします(^^)!
高校一年の初春、単位の代わりにレポートを書けと言われた私は何となく一冊の本を手にした。小難しくて苦手な生物学の進化論、その予想を裏切ってくれた本との出会いから文通という簡単に切れてしまいそうな縁を結んだ。それから、十年、二十年――食事をして人生について語る関係になるなんて、誰が想像できただろうか。
キャッチコピーから、新手のライトノベルかと思ったのですが、驚くことなかれ、全部実話です。時にユーモアたっぷりに叱り、励まし、笑ってくれるセンセイがどれだけ心の支えになってくれたことか、はかり知れません。
まるで、結婚式で新婦が家族に贈る手紙(ラブレター)のようでした。
読んでよかった、こんなあたたかさがあると知ることができてよかった、そう思えるお話です。
少々レビューらしからぬレビュー(?)になることをお許し下さい。
泣きました。
これは、ひとりの女性の人生の中で、三十年間の軌跡の果てに結実した、人と人が結ぶものの尊さを書き記した、確かな証です。
最初にタイトルをみた瞬間から、「ああ、これは結実するものになる」と感じました。
ここはweb投稿サイトという場所です。
生身の人間と人間が出会っていない場所です。
そこで描かれた、「生身の人間と人間が出会い、そして続けた関係」のエッセイです。
筆写は、あらゆる距離を飛び越えて、この稀有なる邂逅をものとし、ひとつのエッセイとして我々読者に与えてくれました。
能動性。
自らで会いに行く、自由な魂。
これぞ、筆写の魅力であり、強さであり、美しさであると、わたしはそう思います。
ええ。
彼女に会いたくて、実際に飛んでいったわたしが言うのですから、間違いありません。
さあどうぞ、ご一読ください。