【短編】ジャンキー・ジェット・ファイアワークス

パルクールが素になった疾走感溢れるシーンが生き生きとしていて良かったです。
相方とのSNSを使った関係性も、現代〜近未来感のリアリティがあって不自然に感じることなく読み進められました！　おもしろかったです

『花火』という題材を上手く使った物語に引き込まれました。少子高齢化社会により娯楽の消えた社会――例えるなら灰色の世界でしょうか。そんな灰色の世界に色を載せたのが『花火師』であり、彼・彼女二人の役割は人々にとってとても楽しみなものでしょう。

導入から結末までしっかりとした文章力と構成力で駆け抜けていく爽快感がありました！最後の場面でリリイの『ラムネ中毒者め』という一言で〆るのも印象深かったです！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（106文字）

まず一話読んでください！
疾走感に、私は惹き込まれました！

主人公のジェットは、夜の街を駆け抜け、ゲリラ花火を打ち上げる花火師（ファイアワーカー）。ネットで知り合ったリリイのサポートを受けながら、今日も街に大輪の花を咲かせていた。

なんといっても、夜の街を駆けて跳び回りながら花火を打ち上げるジェットの姿がカッコいいです！　スピード感がひしひしと伝わってきます。
また、空に咲く花火と、口に含んだラムネの味。どちらも弾けて消えていく刹那の高揚感があって、物語を美しく彩ってくれます。

物語の中で描かれるジェットとリリイの関係も見どころです。どうなるかとハラハラしながら読んでいましたが、思わぬ…続きを読む

『娯楽産業規制法』が制定され、極端に娯楽が制限された近未来の日本で、ゲリラ的に花火を打ち上げる青年と、それをサポートする少女とのバディもの。
『規制法』が社会に与えた影響など、設定を掘り下げようとすればいくらでもできそうな気がするのですが、本作ではそうした面はスパッと割り切って、爽快なアクションシーン、そしてバディでボーイ・ミーツ・ガールなところにギュッとフォーカスして仕上げているのがスマートでいいな、と思いました。
おもしろかったです。

息の詰まるようなディストピア的世界感が、ジェットの生き方を一層美しく際立たせているように感じられました。全速力で花火のように生きる彼が、リリイにとっての光になってほしいと心から願います。

最初は、美しいSFの世界観に惚れ、次に、キャラたちの人間味のある性格に惹かれ、最終話でメロメロになりました。異世界転生は納得できない設定のものが多くあまりはまれない、といった私のような人間にはドンピシャでした。小難しい話はないのでSFが苦手な方も読めると思います。この二人の関係性が最後まで爽やかで大好きです。相棒ってこういうものなんだと感動しました。取り止めのない文章ですいません。自分の文章力がこの作品への愛に追いつけなくて、、、。この作品に会えて、カクヨムを始めてよっかたです。本当にありがとうございます。