第9話
ただいまー・・・
今日は帰らない、なんて言っておきながら結局朝帰りができなかった私。
朝の3時ごろに家に帰った。
真っ暗で静かなリビング。空気がひんやりしている。
もう皆寝てるよね。
晴香は電機をつけた。
テーブルの上には、お母さんが作ったのだろう、おにぎりが置いてあった。
晴香は椅子に座るとおにぎりのサランラップをはがして、一口かじった。
水分の多いベチャっとしたお米にゆかりのふりかけ。
いつものお母さんのおにぎりの味が口いっぱいに広がった。
足音がして振り返るとパジャマ姿のお母さんがいた。
「帰ったの?」
晴香は「うん。」と答えたけど、なぜか涙が出てきて、泣きながら冷たくなったおにぎりを食べた。
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