高2の秋

甘夏みかん

第1話

晴香の退屈はピークに達していた。

どこにも行けない。

何かが膨れ上がって爆発してしまいそうな高2の秋。


キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った。


前の席に座っていたギャルちんが振り返った。ギャルちんとは中学から一緒なのでもう5年の仲だ。言動がギャルっぽいから「ギャルちん」。

晴香の席は窓際、後ろから二番目だ。窓からは見慣れた校庭が見えるが、外に出ている人はいない。窓から冷たい風が入ってきた。

ギャルちんは「帰りたいー」と言いながら晴香のノートを覗いてくる。晴香は「あと一時間だよ」と答えた。授業は7時間目まであっていま6時間目が終わったところだった。

晴香たちのいる国公立受験クラスは休憩時間になっても勉強している人が多い。晴香も授業中に写しきれなかった板書をかいていた。ギャルちんはクシで髪をとかしながら、「そういえば明日うち二者面談じゃん。」といった。晴香は「そっかー。」と答えた。「私はいつだろ・・・来週かな。」



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