第14話

キーンコーンカーンコーン


田口先生が教室に入ってくる。

メガネにポニーテール、膝丈のスカート。これが先生のいつものスタイルだ。

なぜだろう、ズボンを履いているところは滅多に見ない。

そして今日も。


朝礼が終わって、先生が教室から出ていった。

私は先生を追いかけた。


「先生、」


「あら、河野さん、どうしたの?」

先生は微笑んだ。


「私、勉強頑張ります。」


「ほんと〜〜?」


先生は小さな子供に言うような口調で話しかけてくる。そう、田口先生ってこんな感じだ。きっと高校の先生よりも小学校とかのほうが合っているのに。


「ほんとほんと。笑」


と私は言った。


晴香は窓の外を見た。体育の生徒たちが校庭に集まっている。賑やかな笑い声がこっちにまできこえてきている。校庭の向こうには道路があり、車がひっきりなしに通っている。


今日も、いつもと変わらない一日が始まる。


私は、頑張ろう、と思った。



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高2の秋 甘夏みかん @na_tsumi

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