第7話
「免許とった。」
「嘘。すごい。」
「乗る?」
「乗る!・・・でも武蔵くんの運転ってなんかこわい。」
「大丈夫。安全運転する。」
助手席から見える景色は不思議だった。学校から帰るいつもの道なのに、なんだか初めて見る場所みたいだ。いつも背景になっているビルや山や夜空がいつもよりずっとはっきり見える、気がする。ワクワクする。いまならどこにだって行けそうだ。
いつも通っている学校の前の道。
晴香は車の窓を開けた。
風がビュンビュン吹いてくる。
「ファーーーーック!!」
と叫んだ。
武蔵くんはファック?というと笑った。
私たちは街中のドンキに来た。「欲しいものある?買ってあげるよ。」と武蔵くん。「ありがとう。なんで?」「なんとなく。」どうして武蔵くんは私に買ってくれるんだろう。男の人はたまに分からない。
私たちはサンリオコーナーにいた。ドンキの空気は苦手だ。うるさいし。だけど、武蔵くんといると楽しい。武蔵くんはポチャッコのピンを見つめて「かわいい、、」と呟いた。
私たちはドンキから出て駐車場に向かって歩いていた。
その時向こうから見たくない顔が現れた。
「え」
「河野さん!?」
人ごみの中から現れたのは、担任の田口先生だった。
「やば。田口だ。」
「たぐち?」
私は担任に呼び出され、三者面談をすることになった。
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