第12話
結婚かあ、、、
武蔵くんとの結婚生活を想像してみる。
まさかいきなり結婚なんて言われるとは思ってなかった。
でも、、、
別に良いかな。
結婚しちゃっても。
武蔵くんといると気楽だし、嫌なこととかないし。
結婚したら楽しく暮らしていけそう。
このまま大学進学して頑張っても、私は結局地元から出られないんだし。。少なくとも四年は。
愛のために生きていくのも良いのかも。
だけど、いきなり結婚なんかしたら、みんなびっくりするよなあ。
もちろんお母さんだって。
授業中そんなことを考えていた。
授業が終わって、ギャルちんが振り返る。
「なにこれ?」
ギャルちんは晴香がノートにかいた文字を見つけた。
「愛とは」
なにこれ?ときかれても、なんとなくかいたものだからわからない。
「なに、愛について考えてんの?例のヤンキー?」
「うん、、まあ、、」
「ねえ、ほんと晴香ってウケるんだけど。」
そういうと、ギャルちんは机をバンバン、と叩いて笑った。
ギャルちんにとっては晴香の行動がツボらしい。いつも笑ってくれる。
ただいまー・・・
「晴香おかえりー!」
「お母さん、あのさ?」
「なにー??」
上機嫌なお母さんの声は高くて歌声のようだ。
「私、けっこ、、」
「はあ?」
そんな声が一瞬にして低くなった。
「結婚?」
「うん・・・」
「ダメに決まってるでしょ?何度言ったらわかるの?またあの人?」
空気が重くなった。
世界がまたぐにゃぐにゃ歪み出しそうだ。
「だよね、、」
「ねえ、もっと人生について真剣に・・・」
お母さんの小言を後に、部屋に戻った。
うん、まあこうなることはわかっていた。
だけど大事なのは私の気持ち。
私が決めることだもの。
私は。
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