静かで涼やかな文体で描かれる、いつかの日本のような世界

日本には古来より、様々な伝承や儀式、そして風習がある。それらすべてを託されたかのような世界にて、どこか静かに、けれど白刃のように煌めく文体で物語は紡がれていく。
民俗学や妖怪、儀式といったものに興味を抱いている人であれば、間違いなくどっぷりとこの世界に浸ることができるだろう。そうでなくとも、きっとどこか古い時代の日本を思わせる世界は、我々に懐かしさを覚えさせるのかもしれない。
生きる軍人、死を望まれのっぺらぼうになった者。果たしてどのようにして顔を取り戻すのか。彼らにはかつて何があったのか。
続きをと読む手が止まらなくなること間違いなしです。
ぜひご一読ください。

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