第11話 『チョコレート・コンフュージョン』(メディアワークス文庫)
こんばんは。
雪の香り。です。
『チョコレート・コンフュージョン』という小説を読みました。
ラブストーリーなのですが、主人公の北風龍生のせいで珍妙な感じになっているのが面白かったです。
北風龍生は三十五歳の会社員です。
顔が凶悪なせいで元マフィアと噂され(もちろん事実無根。善良な一般市民)、他の社員から遠巻きにされています。
そんな龍生にも微笑みかけてくれる女神がいました。
それがヒロインの三春千沙です。
物語りは龍生が千沙からバレンタインチョコレートをもらうことからはじまるのですが……。
龍生は本命チョコレートをもらったと喜び勇んでいるけれど、実は義理。
ヒロインは龍生の元マフィアという噂に恐れをなし、勘違いだと打ち明けられず、なぜか交換日記がはじまるという出だしです。
女子中学生でもあるまいになぜ交換日記?
それは自分が口下手なことを自覚している龍生の苦肉の策なのですが、千沙は「?」て感じです。
始終こんな感じで、龍生が提案するデートも誕生日プレゼントも常識外れ。
飽きさせません。
あと脇役で出てくる女性たちも魅力的。
千沙の親友の恵理子は美人で交友関係が広く恋多き女。
千沙の悩みを基本面白がって聞いているけれど、ここぞというときには頼りになる女性です。
龍生の妹の莉衣菜は龍生より十五歳年下の女子大生。
恋のアドバイスと引き換えにブランド物のパンプスを龍生におねだりする小悪魔ちゃんです。
愛嬌があってかわいい。
この物語りは、読んでいて「千沙は渡したチョコレートが本当は義理だったことを明かすのか?」とか「明かされたあと龍生はどうするのか?」とか気になる点もあったし、それでなくとも行動の端々が面白い。
おすすめです。
普通のラブストーリーに飽きているという方はぜひ読んでみてください。
以上、感想でした。
ここまで読んで下さった方ありがとうございました。
あなたに幸運が訪れますように。
おわり
おすすめの本の読書感想文。 音雪香林 @yukinokaori
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