第8話 『織姫の結婚 染殿草紙 』(二見サラ文庫)

こんにちは。

雪の香り。です。


『織姫の結婚 染殿草紙』という小説を読みました。

あらすじは古典を下敷きにしたのかな?

という感じ。

それに題材として染め織物をつけたしたような。

なかなか良い物語でした。


簡単にキャラクターとあらすじを紹介すると、主人公は内親王を母に持つ貴い血筋。

けれど母が亡くなって継母が家に入ってくると、ただで使えるお針子としてこき使われるようになる。

そんななか、ひょんなことから光る君とうわさされる貴公子に見初められて幸せいっぱい……のはずが、彼が妹に求婚したと聞かされてどういうこと?

と混乱する。


というものです。

古典的でしょう?


でも主人公のキャラクターがいい。

性格がとても良いんですよね。

品がある。

母の遺言の「恨まず。羨まず。手の中の幸福を大切にして生きる」を心に刻んで不平も言わずに楽しく暮らしている。


貴公子が惹かれる気持ちがわかります。

そして継母。

すっごい憎らしいキャラクターになっててお見事だった。


主人公の母が亡くなる前に後妻に指名して姫(主人公)の養育を頼んだのに、飢えさせたり暴力はふるわないけど、あきらかに「娘」としてあつかっていない。


さらに「亡くなるときに後妻として指名するなんて余計なことを」って、主人公の母は気を使ったのだろうに悪いほう悪い方に取っている。

ああ、いるよねこういうなんでも裏を読む自分から嫌な気分になるクソババア。

こういうリアルな人物描写が上手いなと思った。


あと継母の息子(主人公にとっての異母兄)が良い人であの母親からこんな良い子が生まれるなんてトンビが鷹を生んだね!

と思った。

彼にも今度幸せが訪れますように。


あらすじが古典を下敷きにしているから安定のハッピーエンドで良かった。

突飛なことをしなくても、好きになれるキャラクターと丁寧な描写があれば魅せられるんだなと学んだ気がする。


百人一首の世界観が好きな方は好きかなって感じ。

以上、感想でした。

ここまで読んで下さった方ありがとうございました。

あなたに幸運が訪れますように。


おわり

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