概要
商会で働く青年オウリが旅先で出会った少女カナシャ。
あどけない彼女に絆されたオウリと、その溺愛に応えたいカナシャの行く道は。
太陽の島の五つの部族。
西の大陸の大国。
そして海の民。
揺れ動く世界に生きるため、島の精霊の声を聞くカナシャと共に、「商い」を武器に生きていく。
商人オウリ奮闘記!
東アジアといっても、中華な後宮ではありません。
十二単も陰陽師も出てきません。
粗末な麻をまとった庶民達が、働いて食べて笑って。災害に立ち向かい、争う。
そんな、生活する物語です。
大陸の東に浮かぶ、太陽が照りつけ雨が降る暑い島。
その自然や食べ物、陽射しと木陰、そんなものを感じていただけたら嬉しいです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ホダシという赤い糸で結ばれた男女の出会いから一年の波瀾万丈物語
ホダシという赤い糸で結ばれた男女が、それまで接点も出会いすら無い関係であったにも関わらず、お互いの距離が近付くと、心の赴くままに惹かれ合うという、摩訶不思議な現実を受け止め、伴侶となる物語に引き寄せられました。物語自体の時系列は、出会ってから1年ではありますが、未来の2人も男性側の夢心地で描かれていますが、決して架空とは思われない程リアルで、2人に幸あらん事を告げている様で、ほっこりした思いで読み終えました。なりより良かった点は、ヒロインの年齢が、13歳から14歳へ、しかもこの作話中に初潮を迎え、まさにガールからレディの階の一段目に足を掛けた、心も多感な時を、男性に肩を並べたいと意気込んだり…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!確かな人々の営みと、根付いた文化。
東アジア風のファンタジー作品です。
この世界には『ホダシ』という設定があり、運命の番がいる者がいます。
根無し草のような商人オウリが、『ホダシ』であるカナシャと出逢った時。二人の人生が絡み合い始めます。彼らが互いに強く惹かれ合いながらも、様々な困難を乗り越えていく物語です。
なんといっても素晴らしいのは、描写される風景や衣服に関する単語などが、自然と世界観を創り出していること。人々の生活を通して、その土地ごとの文化を感じることができ、自分が見ているのは彼らの人生の一部なのだと思わせられます。これまでも当然ながらこの世界で人々は生きていて、これからもそれは確実に続いていく。それを疑わせない。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!異国の文化と生活を感じる。そして運命の出会いをした二人が尊い!
文章を読んで異国を旅する感覚になれる作品が好きです。
その世界の文化、様式、生活、風俗、そんなものを肌で感じるような作品が好きです。
はい。この作品はまず、そんな私の好みに完全合致です。
私がちょくちょく熱を上げてる、異国情緒豊かな小説。まずその部分でパーフェクト。
東アジアを舞台にした物語は、文章の隅々から色彩が、香りが、物音が、息遣いが、確かにそこに人々が生活しているという証左が感じられます。
生きた世界を感じます。
そのうえで、主役の二人。
「ホダシ」と呼ばれる、分かりやすく言えば出会った瞬間ビビッときちゃう運命の人のようなものなのですが。
この二人が、とにかくよい!
運命の出会い…続きを読む