概要
恵餌祭の時期が近づくたび、私は懐かしい夢を見る。
故郷にいたころ、私が友達と呼べるのは雪野姉さんと空穂だけだった。
雪野姉さんは私の従姉で、物心ついたころからの親友で、だから雪野姉さんには絶対に空穂のことを話さないと決めていた。
雪野姉さんに空穂をとられたくないのと同じくらい、空穂に雪野姉さんをとられるのが嫌だった。
◇◆◇
土地神うつほさまを祀る山深き集落・恵餌郷。
母も雪野姉さんも故郷が嫌いで仕方なかったけれど、私は決して嫌いではなかった。
私が何を選ぼうと、真っ直ぐに幸せを願ってくれる空穂がいたから。
【注意】
本作は、TALTOにて無償公開中のエモクロアTRPGシナリオ『うつろの郷に雪が降る』(※セルフ二次創作物)と舞台・設定が共通しています。事前情報なしでシナリオを通過したい方はご注意ください。
この物語はフィクションです
雪野姉さんは私の従姉で、物心ついたころからの親友で、だから雪野姉さんには絶対に空穂のことを話さないと決めていた。
雪野姉さんに空穂をとられたくないのと同じくらい、空穂に雪野姉さんをとられるのが嫌だった。
◇◆◇
土地神うつほさまを祀る山深き集落・恵餌郷。
母も雪野姉さんも故郷が嫌いで仕方なかったけれど、私は決して嫌いではなかった。
私が何を選ぼうと、真っ直ぐに幸せを願ってくれる空穂がいたから。
【注意】
本作は、TALTOにて無償公開中のエモクロアTRPGシナリオ『うつろの郷に雪が降る』(※セルフ二次創作物)と舞台・設定が共通しています。事前情報なしでシナリオを通過したい方はご注意ください。
この物語はフィクションです
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!行き先など分からなくとも、道が広がっているということ
恵餌郷(えじのさと)と呼ばれる山間の集落には、人に恵みを与える神がいた。主人公の「しぃ」は、一つ上の従姉・雪野が「うつほさま」と呼ばれる神の花嫁となったことをきっかけに喧嘩別れしてしまう。
謎に包まれた「恵餌郷」とその信仰、神と同じ名を持つ不思議な少年・空穂。恵餌郷で過ごした日々から、読者は徐々にこの世界の輪郭を知っていく。
「辛くなったらいつでも戻っておいで」
かの神はそう言うが、花嫁が見た〝幸せな夢〟は恐ろしいものだった。神はその夢を、心底善いものだと思っているのだろう。
そこが、人と神の差なのだろうな、と突き刺すように感じさせられた。
「養父」が何を指すのか、春雪のその後…続きを読む