未来なき退廃都市で出会う永遠のグロテスクロマンス

バビロン、Rapやレゲエ用語では不条理な権力という意味を持つ言葉。
そして、この話の舞台はまさに不条理極まりないです。
腐った権力、薬、暴力、血。
弱者は搾り取られ、淘汰される。
そんな、サイバーパンクと言うにはかなり腐敗しきった退廃都市。
そんな世界の中で、二人の男が出会うのですが、出会い方がまさにグロテスク。エグい。とてもエグい。
でも、この世界観だからこそ、この文章だからこそ、エグい内容が心に刺さる刺さる。
特に生き神様こと三鷹による、どろどろと欲にまみれて、自己中心的かつ享楽的な性格も良い。そして、それによって運命を変えられてしまう沢巳もまた、真面目だけど一筋縄ではいかない男。

3万文字で、こんな魅力的なのに、もっとこの二人の魅力を欲しくなるそんな作品です。

この二人が今後どうなるのか、続きを読みたくてたまらない作品です。

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