息を忘れるその躍動、混沌無形の未来都市。

これは読書と言うだろうか。凡そ栞を挿む余地は無い。傍ら見れば老貴婦人が車上でチンピラを撃ち返す。ショートフィルムを観るように、サイバーパンクな混沌都市を駆けずり回る――のは、ピンクブロンドの生き神と四肢サイボーグの美丈夫。不老不死は不老不死故に追い回されて、噂を散らして生きていく。二つが一つに為った連理の木のように、しかし根を下ろす事なく二人は明日も生きるのだろう。永遠に。
これは映画だと思いたい。圧倒的な臨場感に、物を書く心臓を抜かれそうだ。

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