まばゆい「世界」がここにある!

1章読了時点のレビューとなります。

かつて約束を交わした少年との再会を夢見て。これは、相棒の少女ルリーテと共に「探求士」として南大陸を目指す少女エステルの冒険と成長の物語です。

――と、要約すればこのようになるかと思うのですが、私が本作から感じた魅力は彼女達やその周囲を取り巻く人々、のみならず、本作の作中世界「ストラディア」、その存在をくっきりとこちらの脳裏へ描き出された世界そのものです。
主人公が「今」「そこに」いる舞台だけでなく、その外に広がるとてもとても広い世界を同時に感じさせてくれます。こう要約してしまうと陳腐に聞こえるかもしれませんが、「世界の広さ」を感じられる物語ってなかなかないと思うのです。そうした意味で、私にとって本作は魅力的でした。

異世界。そう、そこは異世界なのです。
そこに世界があって、人がいて、旅をしたり街を作ったりそれぞれの営みがあって、そんな世界へ主人公や作中人物の活躍を通して触れてゆくという異世界ファンタジーの楽しみ! エステルたちが「そこ」で生きているのだという物語の感覚ですね。
呪文や名称のセンスも大変垢ぬけていて、「今、ここでない別の世界」を芳醇に感じさせる洒脱なセンスでたまらなくよいのです。

多分にふわっとしたレビューとなりましたが、大変魅力的なファンタジー作品です。
王道異世界ファンタジーが欲しい方、かわいい女の子――少年少女、という方が正確なのかもしれませんが――が活躍する物語が好きな方、是非一読してみてほしいです。
おすすめ。

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