等身大の夏は、ソーダの味がした。

夏休みを利用して地方から東京へ父親に会いに来た少年蛍太と、猫と犬の着ぐるみのような生物から逃げる少女美月。そんな二人の保護者役で蛍太の従兄弟である夜、そして非凡な幼女雛都。非日常的な夏の逃避行が始まる!

衝撃的なプロローグですが、年頃の少年少女らしいやりとりや、お人よしの夜さんがみんなにメタメタに丸め込まれる様子だったり、幼女雛都ちゃんのぶっとび具合にクスリとできる、素敵な夏の1ページでした。
敵もファンシーな見た目だからどこか緊張感がなく、でもその異様な力や執拗に迫る様子にゾッとしたり。ワクワクとゾクゾクのバランスが絶妙!この空気感、好き!!

主要キャラの二人の名前に「蛍」と「月」が入っているのも、作中の一文とリンクして素敵だなと思いました。こういう細かい拘り、大好きです。

「絶対大丈夫」という確信こそ、平凡な蛍太が動き出すための力。それに胸を打たれたのは美月だけじゃない。奇跡やチートではなく、等身大の力で脅威に立ち向かう少年少女たちの夏が広がっています。これから天気は大寒波ということですが、こちらの作品で夏を感じてみるのはいかがでしょうか?

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