夏休みを利用して地方から東京へ父親に会いに来た少年蛍太と、猫と犬の着ぐるみのような生物から逃げる少女美月。そんな二人の保護者役で蛍太の従兄弟である夜、そして非凡な幼女雛都。非日常的な夏の逃避行が始まる!
衝撃的なプロローグですが、年頃の少年少女らしいやりとりや、お人よしの夜さんがみんなにメタメタに丸め込まれる様子だったり、幼女雛都ちゃんのぶっとび具合にクスリとできる、素敵な夏の1ページでした。
敵もファンシーな見た目だからどこか緊張感がなく、でもその異様な力や執拗に迫る様子にゾッとしたり。ワクワクとゾクゾクのバランスが絶妙!この空気感、好き!!
主要キャラの二人の名前に「蛍」と「月」が入っているのも、作中の一文とリンクして素敵だなと思いました。こういう細かい拘り、大好きです。
「絶対大丈夫」という確信こそ、平凡な蛍太が動き出すための力。それに胸を打たれたのは美月だけじゃない。奇跡やチートではなく、等身大の力で脅威に立ち向かう少年少女たちの夏が広がっています。これから天気は大寒波ということですが、こちらの作品で夏を感じてみるのはいかがでしょうか?
とっても面白かったです!凄惨なプロローグからは想像できないほど、エキサイティングな物語でした。
中学2年の“蛍太”は、単身赴任の父に会うため東京に来た。大学生のいとこ“夜”の車に乗って移動していると、路地裏で蹲る少女“美月”を見つける。彼女は何者かに追われているという。
途中、一人称がワシの女の子“雛都”も加わり、蛍太たちは謎の集団から美月を守るために行動する。
脅威を前にして怖さを抱える少年少女たち。その一方で、非日常に対するわくわく感や期待感も持っているところが可愛らしくもあります。
「謎の者に追われる少女」というと、シリアスなのかな?切ないのかな?と思いましたが、キャラクターたちの会話がテンポ良く展開され、クスリと笑えたりツッコミをいれたくなったりと、楽しく読める作品です。
ノンストップで最後まで駆け抜けます!ぜひ彼らの不思議な一週間をのぞいてみてください!