百从（ひゃくじゅう）のエデン

「—— 獣（きみ）が、人にしてくれたんだ」

不毛の大地で目覚めた記憶を持たない少年、彷徨の果てに目にしたのは、鋭い牙や爪に豊かな被毛、翼や鱗など百人百様の特徴を有する「獣人（ししびと）」たちだった。
黄と黒の縞模様を身に刻んだ彪人（とらびと）の若者に拾われたのち、不器用ながらも持ち前のひた向きさを発揮し、彼の傍らで生きるための力と知恵を身に付けていく。
多種多様な獣人たちに交じり、右も左もわからぬまま働き始めた矢先に訪れるのは、思いがけない突然の邂逅。
獣人たちの中にあって、ただ一人自身とよく似た姿の持ち主である少女との出会いが、何も知らない少年の運命を大きく変えることに。
異形の怪物との遭遇、幾つもの出会いと別れを乗り越えた少年の選ぶ道とは？
その出生の秘密とは、そして世界に隠された真実…続きを読む