第7話
「おい雪華、どういうつもりだ?」
「…」
どういう事だ、なんでこんな所にいる
いや、それより何故強○するまで落ちぶれた?
「どういうつもりだって聞いてんだよ!」
「…」
あのクソ女の次は紅葉か!寝取りの次は強○か!
お前はどれだけクズになれば気が済むんだよ!
「あの…師匠、知り合いなんですか?」
「ああ、偶然知り合ったクソ野郎だよ」
マジで幼馴染って腐れ縁じゃ無かったら速攻で離縁してるわ、幼馴染でも離縁しようとはしてるけど
「とりあえず、雪華は俺が見張っておくから結束バンドでも買ってきてくれ、コイツを拘束する」
「え?警察に連絡は…」
「しなくて良い、今回が初犯じゃないんだ、ここらで俺がどうにかする」
「そうですか…分かりました!結束バンド買ってきます!」
コイツを雪に見せる訳にはいかないからな
今日は隣町のホテルに泊まろう
ーーー
「ふぁ〜あ、雪華、お前も話す気に…は?」
「…お兄さん、ごめんなさい」
昨日まで雪華が居た、結束バンドで縛り付けられていた場所にいたのは…
「おい、何でお前がここに居るんだ、雪…!」
雪だった
「…お兄さんなら分かってるんじゃないですか?」
「雪華を庇ってるのか?」
俺は、そう思ってた
いや…そう思いたかったのかもしれない
「…お兄さん、優しいですね、私から言うのを待っててくれる」
分からないだけだ、そう言いたかった
だが雪華の居た場所にいる雪、考えられる可能性はそう多くない、予想は…できている
「…そうかもな」
「私が雪華です、雪は偽名ですよ」
雪華…そういえば最初はこの名前に違和感を感じてたよな、慣れるにつれ消えていったけど
「お前、性別を弄るポーションを使って男になってたんだな」
「はい、大正解です」
「…ならさ、何で麻里と寝たんだ?」
これだけは本当に分からない
女なら同じ女の真理と寝る理由が無いんだよ
「それは…お兄さんを好きだったからですね」
「…は?」
どういう…事だ?
意味が、意味が分からない
「お兄さんは覚えてないでしょうけど私、お兄さんのお陰で当主としてやっていけてたんですよ?」
「だから…俺に近づいてきたのか?」
あのダンジョンがある街まできた時点で?
ここまで先回りして?
「はい、ですから今度もあの女を脅してお兄さんから離れさせるつもりでした」
今度も…か、あいつも最初は強○だったのか?
…いや、どうせ最初から和○だろうな
「…あの女と別れられたのは結果オーライだし紅葉も結果的には無事だ」
「何が…言いたいんですか?」
ここまで言えばお前にも分かってるだろ?
簡単な事だよ
「許してやる、雪の時の行動は本当に助かったしなだが…もう二度と俺に近づかないでくれ」
そう言って結束バンドを外し、雪…雪華を開放する
「…お兄さん、今までありがとうございました」
その言葉に対して俺は…もう、何も言わなかった
ただ、ひどく虚しかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます