第14話

「貴方が雷斗さん?ありがとうね、私の為に」

「いえ…伊月さんにはお世話になってますから…」


はえ〜伊月のお母さんすっごい美人

ソーマ上げて良かったぁ〜(クズ)


「そう…?なら良いんですけど…」

「あ〜、改めてありがとうな、雷斗」


「いや、半分自分の為みたいな物だし別にいいよ」

「…そうか」


「あ〜、それにあのダンジョンでは色んな事を得られたしな」

「…そういや一人で潜ったんだったな」


おっと?また怒られるのか?

既にあの二人によって十分な恐怖を感じているぞ?


「…まだ言う?」

「いや、本当にそこまで無茶させて申し訳無くてな俺がもっと強かったらと思って…」


ああ…なんだ、そんなことか

俺はそうそう負けないから心配しなくても良いのに


「そこまで気にするなよ…っと、そろそろ帰るか」

「…ああ、もう遅いしな」


ーーー


あれから伊月が見送ってくれる事になって

二人で夜道を歩いている


「なぁリーダー、いや…雷斗」

「…なんだよ急に改まって」


突然俺に話しかけてくる伊月

しかもとても改まって、一体どうしたんだよ…


「俺、実は…女、なんだ」

「知ってた」


ちょっと食い気味になってしまったな…

でもしょうがないじゃん!だって骨格から一発で分かってたんだもん!


正直男として扱って欲しいのかな…って悩んでた!

だからその告白はありがたい!


「…は?し、知ってた!?いつ!?どこで!?」

「え?いや、最初から、初対面の時に…」


いや…いくら肉付きが男っぽくても骨格を隠さない格好なら流石に分かるわ、一流舐めんな


「なん…なんで!?今までリーダーそんなそぶり見せなかったのに!?」

「いや…だって今までは男として扱って欲しいのかと思ってたから…」


だって女性が男性の格好をして男扱いされてるのに自分の性別について何も言わないとか…


絶対何かあるじゃん!って思ってたから触れなかったんだけど…


「ぐ、ぐぅ…確かにリーダーなら隠してる性別くらい簡単に分かるだろうけどさぁ…!」

「…まぁ、これからは女として扱うって事で」


女扱いしても問題無いしこれでいいでしょ

それに性別を告白したってことはそういう扱いをして欲しいって事だろうし


「いいけど、いいけど納得いかない!」

「えぇ…ならどうすれば良いんだよ…」


良いのに納得いかないって…

ただの無茶振りじゃん…


「えーっと…そうだ!俺とデートしてくれよ!」

「デート?いつ?」


明日と明後日以外で頼む…!


「うーん、じゃあ5日後…次の土曜日に!」

「おお、分かった」


これが初の恐怖の無いデートの約束だな…

今まで2回とも恐怖で押し切られただけだし…


…やっぱり伊月は癒やしだな!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る