第4話

魔石が思った以上に高額だな…

具体的には小さくても数千円はする


いや、スライムの魔石は安い、五百円とか

でもゴブリンの魔石から急に値段がサイズによって三千〜五千円とか…


なにがあったんだその間に!

って感じだな


そんでゴブリン上位種は種類やサイズにもよるが大体一万〜三万円くらい


ゴブリンキングに至っては十三万円ほどだった

…俺、今日一日で金持ちになっちまったよ


これは…自慢話が一つ増えたな!


ーーー


「雪ちゃん、俺、それなりに稼げる事が分かったし探索者としてやっていけそうだから出ていくわ」

「…は?」


怖っ!?

何かを聴き間違えて寄生する発言に聞こえたのか?


「いや、だから俺、ここから出て独り立ち…」

「させません、一生ここに居て下さい」


なんで!?

やっぱり俺を暗殺とかしようとしてる!?


「いや…そんな事言われても…」

「…なら、あと少しだけ一緒に暮らして下さい、私お兄さんが居ないと不安なんです」


不安、不安かぁ…


「分かった、そんなに言うならあと少しだけ一緒に居よう、でも最高でも半年後には出ていくからね」

「分かりました、お兄さん」


…あ!

結局スキルとか稼げた自慢できなかったな…


まぁ、これは別に良いか


ーーー


「死ぬっ!死ぬっ!死んじゃうぅぅぅ!!!」


…なんだあれ?

アレはモンスターの群れと…女の子だ!


正直あんなのに突っ込みたく無いけど助けられるのに見逃したら流石にクソ野郎過ぎるわ!


探索者歴一ヶ月でモンスターの群れに飛び込むとか経験したく無かった!


でも多分何とかなるって!

多分!


「おい!モンスターは俺が何とかするからアンタは逃げろ!」

「うぇっ!?」


物理の効かないスライムも、剣で防御したゴブリンソルジャーも俺の一振りで斬り裂かれる


うーん、まるで無双ゲームのようだ…


だってこのダンジョンではボス以外で最も強いゴブリンジェネラルですら一振りで真っ二つだからね?


マジで爽快、めっちゃ気持ち良いわ

あと初めての多人数戦で剣技がより進化してる気がする、最近全然剣技は進捗無かったのに…!


Foooooooo!気持ち良い〜!

サイコー!


ありがとう名も知らぬ少女!

俺にこんな最高の戦いをくれてありがとう!


…あれ?

敵が…居ない?


もう!?

流石に居なくなるの早すぎでは!?


「あの!」

「え?まだ居たの?それに何?」


俺に冤罪吹っ掛けるつもりじゃなかろうな

そうだったら斬り殺すぞ


「わ、私とパーティーを組んで下さい!」

「…良いよ!!!」


俺も丁度パーティーメンバー欲しかったんだよ!

いや〜暫くここを出られないからパーティーは組めないと思ってたけど…


これでパーティーメンバーも得られたし

それにこの子を成長させるという目標も出来た!


完璧過ぎる…!

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