第16話 消灯前のひと時
あの後何事もなかったかのように勉強が始まり、4人で日付が変わるまで勉強会(一方的に俺が教えてもらってた…)をやってから就寝することになった。勉強会中、美玲には目逸らされまくってまともに顔を合わせられなかったけど。
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女子たちと部屋を分け颯斗と2人で俺の部屋で寝ることになり、布団を敷き、2人で座って少し、寝る前の雑談をしていた。
「やっぱ人が多いと賑やかで楽しいな。颯斗と凛花が今日来るって言った時は結構内心びくついてたけど来てくれてありがとうな」
「そうだな。俺が行っていいか聞いた時のお前の顔は『え…っ』て感じが前面に出てたよ」
「まじかw。正直2人が付き合ったって聞いてこれからどう接するべきかな〜って悩んでたけど2人は何も変わらないな。安心したよ」
颯斗は少し考えごとをするかのような間が空いた後再び口を開いた。
「そのことで大事な話があるんだけどさ…」
「ん?」
「悪かった。」
「え?」
「お前がずっと凛花のこと好きだったのにも関わらず俺は自分の気持ちを優先させちまった。そのせいでお前を傷つけた」
「…謝るなよ。俺だって実を言うと凛花がお前のこと好きなの知ってた上でずっと想ってたんだ。だからお前ら2人は両想いで本来は俺だけ片想いの枠外れだったんだから」
「…俺さ、わかんないんだ。」
「ん?なにが?」
「正直凛花は俺のこと本当に好きなのか自信が持てないんだ」
「…あくまでも俺がみた上だと間違いなくお前らは両想いだよ」
「そうか…」
「でも、それも含めて話すべき相手は俺じゃないことは俺でもわかる」
「…そうだな…ゆっくり話す時間をいつか設けるよ。ありがとうな。あ、あとお前は俺らと距離置こうとするな。それが俺らを傷つけるんだからな」
「…ああ、わかったよ。これからもずっとよろしくな」
「…なんか照れ臭え。寝ようぜ」
「そ、そうだな!電気消すぞ〜」
「おやすみ」
「ああ、おやすみ」
なんか胸のモヤが一気に晴れたような気がする。これからなにがあってもずっと2人といっしょにいれたらいいな。
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き、気まずい。
樋口さんと同じ部屋で寝ることになったんだけど樋口さん何も喋らないんだもん!
ど、どうしよう。なんか話振るべきかな…
拓磨も『美玲は少し人見知りなだけで話せるようになれば面白いやつだ』って言ってたし!よし!ここで頑張って仲良くなろう!
「樋口さんは今回のテストの目標とかある?」
「…あるわけないじゃないですかそんなん」
「そ、そうだよね〜…」
気まずいよぉぉぉ
拓磨、颯斗〜助けてぇぇぇ
「え〜と、、、じゃあ今好きな人とか気になってる人いる?」
いるわけないでしょうがああああ!
何を『あの樋口さん』に聞いてるのよ私は!
「え!?な、何を急に…そ、そんなことあなたに言う必要ないじゃないですか!!!」
あれ?この反応私でもわかる。いる。
確実にいる。あ、そう言えばさっき拓磨が樋口さんは初恋の人を忘れられてないって言ってたなぁ。どんな人だったんだろ!聞いちゃお!
「え〜。その反応、怪しいなぁ〜。どんな人なの〜?」
「いや、まぁ優しい人ですよ…そりゃ。こんな私にも仲良くしてくれますし…ってい、いるとは言ってませんし、あくまでそう言う人いいなって話ですからね!」
あれ?樋口さん…めっちゃ可愛い。
いや、前から知ってたんだよ?容姿はモデルさんとか女優さんみたいに綺麗だし背だって高めでスラってしてカッコよくもあるし。
でも、性格は少し塩っぽくて絡みづらいイメージあったからこんな天然で可愛らしいなんて思ってなかった。
少し、いじりたくなっちゃう。
「え〜。なら拓磨とかいいんじゃない?さっきだって結婚する予定みたいな話してたし!」
「そ、その話だけはやめてください!ていうかわすれてください!あわわわ、思い出すだけで恥ずかしい…」
え〜めっちゃ可愛い〜。もーちょっとだけいじりたいなぁ。
あれ?…よくよく考えたら樋口さんと仲良くしてるのなんて中学の頃から拓磨しか見たことないし優しいって条件にも合致してる。
拓磨?
「ねぇ…もしかしてだけど樋口さんの好きな人って本当に拓磨だったりする…?」
「………ハイ」
「そ、そうなんだ〜…意外だなぁ…」
「ぜ、絶対に言わないでくださいよ!?内緒ですからね!?」
「う、うん。もちろんだよ。」
「ね、寝ましょう!明日も学校です!」
「そ、そうだね。おやすみ」
「はい。おやすみなさい」
…そっか…拓磨なのか…。
なんだろうこの気持ち。
なんで私『取られる』なんて思ってるんだろう。
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