番外編 在りし日の塩分高めお嬢 part 1

「今日からよろしく!俺は小松拓磨!中学初の友達になろうぜ!」

「いやです。話しかけないでください。」

「え…」


 彼への第一印象は最悪だった。

一言で表すなら陽キャ。一番嫌いなタイプ。

誰彼構わず友達かのように接する。一番信用なんて言葉からは程遠い存在。


話しかけるなと言ったのにも関わらず彼は毎日懲りもせずに話しかけてきた。聞いてもないのに最近あった面白いこととか、部活で褒められたこととか。もちろん全部無視したけど。


そんな日々が続いたある日、

「樋口さんさ、結構俺、君のこと好きかも。連絡先教えてよ。てか、今日空いてる?カラオケ行こうぜ2人で」

「いきませんし教えません。どっかいってください。」

「おぉw噂通りの塩対応だなぁ。でも諦めないよ。どうせ君に友達なんていないんだから無理矢理にでも連れてくよ。携帯も出せや。」

「や、やめてください…」

私が同じ1年の中でも荒れている人(名前は忘れました)に無理矢理遊びに連れて行かれてしまいそうになっていた時、横から

「やめろよ。お前、ダサいぞ…」

「あ?お前今なんつった」

「嫌がる女の子に無理矢理いうこと聞かそうとなんてするなよ。周り見てみろよ。お前ドン引きされてんぞ。」

「てめえ、、調子こいてかっこつけてんじゃねえぞ。○すぞ」

「こわいって…そんな簡単に脅迫なんてしないでくれよ…ほら、自分の教室に帰った帰った。もう次の授業も始まるぞ」

「チッ…てめえ…覚えとけよ」

「忘れてください。お願いします」


 かっこよく不良を撃退!ってわけじゃなかったし別に今この場でこの人に助けてもらわなくても監視してるお手伝いさん達(黒ずくめお兄さんズ)が助けてくれただろうけど、この場では、私には彼がヒーローに見えた。

 友達がいない私をわざわざ不良から助けようなんて人は周りには彼以外いなかったし、彼がいなければ私は怖い思いをすることになっていたかもしれない。

 ただ、こんなんで恋に落ちるほど私はチョロインではない。が、お礼はするのが筋だと思う。

「…ありがとう」

 彼は私から初めて言葉をかけられて驚いていたけど、すぐに大きな笑顔に変わった。

「おう!また絡まれたら遠慮なく俺に言えよな!」


 不覚にもその笑顔がかっこいい、と思ってしまった


次の週に不良と拓磨は何故か仲良くなってた。陽キャってわかんないなと思いました。


              part2へ続く


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