第14話 美玲、激昂

ええええええ

なんなのおおおお

拓磨が…拓磨が…

エプロンしてるううううう

かわいいいいいいい

写真撮っていいかな!?いや引かれちゃう!

わたしは拓磨にとってはクールなお姉さんだから!そんなことできない!

でも、言いたい。うちの旦那さんのエプロン姿は最高だって声高にして言いたい…

あ、まだ旦那さんじゃなかった…テヘッ

それより…なんで拓磨の横に凛花さんがいるの…笑い合って料理分担しててずるい!!!

許せない。でも拓磨めっちゃ可愛い。なんでエプロンピンク色なのおおお。


「あのさ…美玲…そんなずっと見られるとちょっと恥ずかしいかも…」


 あ、、、、やばい、、、、死ぬ、、、

エプロンつけたまま恥ずかしそうに笑ってる、、、破壊力高すぎる、、、


 じゃなくて!

 どうしようどうしよう!?

 このままじゃ私が拓磨のこと好きで目が離せないのがバレちゃう!拓磨に惚れさせないといけないのに!うまく言い訳を!


「拓磨のエプロン姿なんて滅多に見れないからね。面白いなって思っちゃったの」

「お、おもしろいって…」

「えぇ〜そうかなぁ〜。わたしは似合ってて可愛いな、って思うよ〜」

「り、凛花…かわいいって…//」


 凛花さん…貴女がどんな人なのか…よ〜くわかった。そうやって男を何人も手篭めにしようとしている卑しい女。如月くんだけでは飽き足らず拓磨まで手に入れようとしてる汚い雌犬。許せない。

 拓磨も拓磨だよ!なんでそんな簡単な罠に引っ掛かってデレデレしてるの。

 …まぁ…そんな簡単な拓磨も可愛いんだけどね!?!?

「美玲ちょっと味見してくれない?自分じゃちょっとわからなくて」

え、、これって、、あーんのポーズ!?

え、、しちゃうの?私、今日、あーん卒業しちゃうの、、、?

「じゃ、じゃあ…あー」


パクッ


「うん、イケてる。美味い。また一段と料理上手くなったな拓磨。」

「あっ、ありがとう颯斗、じゃあこれくらいで完成でいいかな」


 …は?

何してくれてんの?こいつ。

 なに笑い隠してんの?え、手で口元抑えて笑い隠せてると思ってるの?え?あいつさっき『頑張れ』って言ってたよね?なんで邪魔してくれてんの?何笑ってんの?あ?やんのかコラ。


この幼馴染2匹…本当に邪魔だ…


♦︎♦︎♦︎♦︎


さっきから横で樋口見てたら面白すぎるなこいつ。

 ずっとキラキラした目で拓磨のこと見てると思ったら急にクールぶって、凛花の言葉聞いたら般若みたいな顔して、大方お腹すいたんだろうと思った拓磨が気遣って味見頼んだら今日イチの嬉しそうな顔して。

 試しに横から拓磨の出したスプーン奪ってやったら修羅の顔してるし。

 いつもポーカーフェイスしてる樋口がこんなコロコロ表情変えてんのめちゃくちゃ笑えるな…


 あー…おもしろ。やっぱ来てよかったわ。


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