第4話 チャンス到来
私はモテる。
自分で言うのはおかしいと思うけど私は周りに比べても容姿は整ってるからモテてしまう。
でも昔から私と仲良くなろうとする人はみんな見た目だけが目的だった。告白されて振ったらもう相手になんてしようとしてこない。私の中身を見てくれる人なんて現れないと諦めていた。だから男友達なんて1人もできなかったしむしろ欲しいともおもわなかった。
女の子もそんな私を見て少し距離を置いていたから友達なんて全然いなかった。
地元から少し離れた中学に入って最初に横の席になった男子は私と''友達になりたい''と言ってきた。でも、きっとこの男子だって私の中身を知ろうとしてるんじゃないと決めつけていた。
でも彼はどんなに適当にあしらっても雑にしてもずっと変わらず話しかけてくれていたし笑いかけてくれていた。
私が他クラスやクラスの男の子に囲まれて困っていたらさりげなく助け舟を出してくれたり愚痴だって笑って聞いてくれた。初めて心を許せる人だった。
そんな彼と接するうちにすこしずつ惹かれていってしまっている自分がいた。
でも、彼には想い人がいた。
私とはてんで違うタイプの可愛らしい少し童顔なショートヘアの幼馴染の女の子。
彼がその子の前でカッコつけようとしたり、がんばっている姿や顔つきは私の前で見せるものとは全く違うものだと気づいた時初めて私は失恋を経験した。
『辛い。羨ましい。嫌だ。羨ましい。』
そんな言葉ばかりが頭の中に浮かんでも彼と話しているといつのまにか消えて心の中で嬉しさと愛が膨れ上がっていくのを止めることはできないほど私は彼に夢中になっていった。
彼は決して見た目がモデル級にいいとか運動神経が抜群とかと言うことはなくて見た目も整ってはいるけど目立ってイケメンという風ではないし運動神経だって普通の部活やってる人並みでしかない。
でも彼はとても優しかった。困ってる人がいたら自分の事情なんて二の次にして助けに行ったり、泣いてる子供にはすぐに笑わせにいったりしている姿を見て際限なく惹かれていったし、早くに両親を亡くしたと聞いた時寂しそうな顔をしていた彼をそばでずっと支えたいと思った。
彼はとても努力家でもあり、クラスは別になるし私とはあまり関わりはないけど、如月颯斗という学年1の秀才に追いつきたい、追い越したいばかり口にして、そのためにいつもみんなの倍頑張るような人だった。
でもその努力は幼馴染の女の子の気を引きたいからだと知った時苦しくて辛かった。
好きな人が自分以外の女の子のために何かを必死で努力する姿は泣きたくなるくらい胸が締め付けられるものだった。
でも、私は彼を応援した。報われてほしいと心から願っていた。
彼の幼馴染に対する目や姿勢が私に向いてくれたらなんて想像は数えきれないくらいしたし彼以上の人とこの先出会えないだろうことだって私はわかっていた。
でも、やっぱり好きな人には悲しい顔をして欲しくなかったし、友達としても彼は大好きだった。だからこそ幸せになって欲しかった。
でも彼の恋は失敗に終わった。
彼の幼馴染はもう1人の親友と付き合うことを選んだのだ。
その報告を聞いた時私は自分でも最低だけど嬉しかった。
もしかしたら彼のことを私が独占できるかもしれない。幼馴染に向けていた彼の姿を私に向けてくれるかもしれない。そんな期待が止まることはなかった。
でも、彼は途方もない時間、彼女に恋をしていたのだし性格上はい、次の恋とはいかないだろうからここからは私がどう彼の気をひけるかが大事になる。
今度こそ私が彼を幸せにする。そう私は決意した。
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