番外編 在りし日の塩分高めお嬢 part2
「じゃあ席替えするぞ〜。女子からくじ引くから男子は廊下出てろ〜。」
席替えの時が来た。
小松くんとは結局あの『ありがとう』以降はわたしから話しかけることはなく一方的に話しかけられるだけだった。返事はできなかった。
それは煩わしいからとかじゃなくて今まで友達がいなかった私にはどう会話をすればいいのかわからなかったから…あと少し恥ずかしかったから。
『おはよう』の一つすら言えなかった。折角友人になれる人ができたかもしれないのに…寂しい。
「席替えきたなぁ〜。樋口、ぶっちゃけ寂しい?ちなみに俺は寂しい。結構仲良くなれたからなぁ〜。席離れても話しかけてもいい?」
わ!考えてたら話しかけてきた!
な、何か返事しないと…
「やめて。寂しくない。清々する」
あぁ違うのに…
『こちらこそありがとう』と『これからもよろしく』が言いたいのに〜、私のバカ!
「そ、そうか…まぁ今日まで話聞いてくれてありがとうな」
ああ、シュンとしちゃってる…な、なにか挽回する一言を頑張って言わないと…
「…こちらこそ、退屈はしなかった」
言えた〜!私にしては上出来!小松くんも一気に明るい表情になってくれた!友達だよね!もうこのリズミカルな会話は!
「おぉ!久しぶりに樋口のデレ聴いた!じゃあ俺男子だから廊下でてるわ!お互いいい席引けるといいな!」
そう言って小松くんも廊下へと出ていく。
ちなみに私は別にどこの席でも勉強さえできればいい。
でも窓際だと外見ながら休み時間過ごせるからありがたい。
最悪なのはドアのそば。人が通りまくる位置なんて煩わしいことこの上ない。
「樋口さんの番だよ?早く引いちゃって〜」
学級委員の子がくじのはいったビニール袋を持ってきた。
何も考えず引く!
窓際だ!しかも一番後ろ!当たりだ!
それからしばらくして女子全員が引き終えると交代のアナウンスが先生からされた。
「じゃあ今度は女子が廊下出てろ〜。男子よんで〜」
私たちもいそいそと廊下に出る。
席替えってなんで男女別別でしかも片方が引いてる時は廊下に出なきゃいけないんだろう。
ドキドキ感があるからって理由らしいけどくだらないことこの上ない。
男子が引いてる番はうるさいくらい廊下にまで歓声と絶望感の漂う声が聞こえてくる。
女子にかかった倍くらいの時間がかかった後女子も呼ばれ自席につきにいく。
男子はまだ前でごちゃごちゃやってるから自分の隣が誰かはわからない。
…誰であろうと興味はないけど。
「樋口じゃん!また隣じゃん!すげえ!またよろしくな!」
嘘、少し嬉しいかもしれない。
もう一度与えられた仲良しへの道を今度は踏み外さない。頑張れわたし!
「こちらこそ…また、よろしく」
「応っ!」
part3へ続く
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