腕を切り捕られた者　　　　　　仁王頭シリーズ第一弾

警視庁捜査一課の仁王頭王仁は中学時代の後輩・ブチ犬の捜査依頼により故郷へと帰ってきた。事件の陰には仁王頭家の裏の事業を受け持つ二王家の影がちらついている。
事件は世界を震撼させるほどの凄腕のハッカー、二王影光の死から始まる。王仁は自分とその一族の業に慄きながらも、自らの仕事を全うしようとするが……。

王仁とブチ犬の軽妙なやり取りが楽しく、くすりとした笑いを呼びつつも、ハードボイルドな刑事の世界を構築している。自身と一族に降りかかる因縁に正面から受けて立つ王仁の男気に震えることだろう。
地方都市に根付く因習と世界のをまたにかけるインターネットという水と油のような世界観に描かれる、ハードボイル…続きを読む

本作は現代の日本を舞台として、高貴な家柄ながら癖のある刑事による本格ミステリーです。
主人公は都市伝説にも一族の出身で、捜査一課の刑事をしているのですが、今回は自衛隊基地で起きた謎の事件に挑みます。やがて、彼はその名を使って捜査を始めるのですが、その行く先には不穏な影が渦巻いていたのでした。

個性的で型破りな主人公ですが、ミステリーの雰囲気が醸し出されており、一話あたりも読みやすいので本格派が好きな方にもお薦めの作品です。