都市伝説が現実を侵食し、日常が崩れていく

怪異がとても怖くリアリティがあります。
怪異には変な言葉かもしれませんが良い怪談には多かれ少なかれそういう印象を持ちます。
主人公の名前が何故失われたのかという謎が骨格となっていて続きが気になります。
ホラーミステリ的なジャンル横断をしていると思います。
都市伝説が実際に人の命を奪う世界で、ストーリーの展開はよく考えられていると感じました。
主人公がピンチになってそこを助けるという王道の展開ながら主人公が女子なので、セクハラにならないように気を使っているのも伝わってきます。
そうですね、さすがにほぼ一人で生活している女子生徒の家に危機的状況とはいえ勝手に入るのはまずい。
そういった倫理的観点もしっかりとカバーしてあります。
自らの名前が失われたことを見抜く、陰陽師をしているイケメンという存在が軽くならずに、優しい人として描かれているのは好感がもてました。
怪異との戦いもありそうな世界観なので良い意味でライトノベル的な要素も含まれていると思います。
怖くてぞっとするホラーが好きな方は読んでみてはいかがでしょうか。

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