優しい真珠色の、あるいは甘い三日月色の世界へようこそ。

現在物語はまだまだ序盤。大きな出来事もまさにこれからといった段階ですが、何より世界観と文章がとても美しい。
死霊術師の少女と死者の主人公。花々が咲き乱れる庭園に古い洋館。合間で刻々と変わる空模様が優美に描かれて、全編通して「ああ、この世界に入って自分の目で見てみたい」と思わせる確かな筆致が魅力的です。

童話のような、と表現すると、ハードな物語が好みの方は鼻白むかもしれませんが。穏やかな夜中、大好きな飲み物片手に読書するような時間、上質な癒やしがそこにあると、私は思っています。

あるいはセピア色の不思議の国のアリス。
あるいは誰もが抱えるノスタルジック。
派手で賑やかな展開が好きな私でも好きになった、とっても素敵なお話です。


さて今後二人に何が起きるのか。
これからの展開が楽しみです。