主人公はノエルさんという銀髪の青年です。「俊敏」「激運」「器用」のギフトに加えて「浪費家」もあり、強いだけでなく抜けているところも面白い、魅力いっばいな主人公です。
物語は迷宮の最奥を目指すのですが、その間の仲間達とのドラマに引き込まれます。いろんな葛藤や試練を乗り越えて成長する、少年少女達にグッときます。
また、ギャグが最高に面白いです。RPGをプレイしたゲーマーなら「あるある」と思わず頷いてしまうこともあれば、敵味方の強すぎる個性に爆笑してしまうこともあります。
本編完結済でさくさく読めます。気軽に楽しめました。
主人公ノエルが金遣いの荒さから、若手パーティに追放されてしまう――というのが物語の幕開け。
いわゆるパーティ追放モノですが、ノエルはパーティリーダーで、保護者的な立ち位置だったのです。
ノエルは主人公らしく最強なのですが、欠点も多い憎めないキャラクター。
そのひとつが「浪費家」。
でもそれだけではなく、圧倒的なコミュニケーション下手というのも、彼を生きづらくしています。
この作品の魅力はまず、このノエルのキャラクター。
冒険者としての能力は最強でありながら、生活力のない彼を見守って応援したくなります。
次に、追放サイドが没落して終わりではなく、反省した後の成長が描かれるのも魅力です。
追放サイドがパーティリーダーではなく、年若い少年少女たちだったのが、ここで生きてきます。
ざまぁがきつくないので、あたたかい気持ちで読めますよ!
また、ネタバレになってしまうので詳しく書けませんが、「ダンジョンの管理者」も面白いです!
ダンジョン自体もゲーム的なギミックに満ちていて、RPGをプレイしているかのよう。
私はゲームに明るくないのですが、それでも楽しんでいます。
最後に一言。ちゃんと魅力的なヒロインさんも出てきますよ!
2章終わりの方で登場してくるので、楽しみに読み進めてください!!
ここに「スキル」を4つ持った男がいる。
「器用」。
どんな物/事でもあっという間に習得。そつなくこなしてしまう。
「俊敏」。
何者より速く行動できる。
「激運」。
幸運の女神に愛され、常に良い境遇に身を置ける。
そして「浪費家」。
せっかく3つも素晴らしい「才能」を手に入れたのに、冒険者として致命的な謎のスキル。
手に入れた富をあっという間に消し去ってしまうそのスキルは──
彼の、「武器収集」という悪癖を示している。
やたらに武器を買っては溜め込むせいで、彼は金欠となり、ローグ(ならず者)となり、変人の称号を得る。
そんな彼が出会った「謎のダンジョン」という宝の山。
彼はダンジョンを制覇し、好みの武器を手に入れられるのか?
それとも別の結末を得るのか……?
これは「金欠ローグ」なる変わり者と、ある日突然現れた謎のダンジョンを中心とした、不幸と不運と成長の物語。
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最後まで読んだ上でネタバレを避けつつそれっぽい気になるあらすじを……となると、これが限界です。すみません。
以下個人的な推しポイントです。
むしろレビューとしてはここからが本番なので、ぜひ読んでください。
このならず者、第一話でノエルという名前が出てくるのですが。
その第一話で華麗にパーティーから追放されます。
リーダーなのに。一番強いのに。残りはデビューしたてのひよっこメンバーなのに。全ての場で最も功労賞をもらえる存在なのに。
浪費家で否応なくパーティーを極貧に突き落とす、そのせいでついにクビを宣告されてしまいます。
いやいやにしてもそれで追放て。と読みたての自分は思ったのですが、まぁこれはオタクの所業。使いもしない武器をひたすら買って貯蔵して、宿は馬小屋、食事は薄いスープ一択、これじゃ夢いっぱいの新米冒険者たちには地獄と言えるでしょう。
なるほど仕方ない、では一人っきりでダンジョン攻略を目指すか……。というのが序盤の展開で、さてノエルは。最も強いリーダーを追放した新米君たちは。ダンジョンの謎とは……というのがこの物語の主軸となっていきます。
正直自分、スキル/追放/ダンジョンという昨今の流行り物を一つも読んでいなくて、どういう展開がセオリーで、この物語はどこを外してるのかわからないのですが。
この作者様は「ダンジョンが生まれた理由」「マイナススキルが存在する理由」「主人公がダンジョンを攻略し、何を得るのか」まで華麗に全ての要素を回収し、素敵な物語を紡いでくれています。
途中、「ダンジョンの管理人」なる存在と、メタ地味たサブカルネタが挟まれますが、これもいい味を出してまして。これが上記の謎たちとどう絡むかも見所です。
そして何より、ノエルと関わったキャラクターたちの人間模様が非常に魅力的で。
オーガスト!頼む!主人公やろう!君の物語は小説一本分の価値がある!!!!
ソフィア!頼む!主人公やろう!君の物語は(以下略)
メイ!頼む!君も主人公やろう!(以下略)
って感じで、うっ……みんな可愛い……愛しい……これがサブキャラなのが信じられません。
序盤は色々アレですが、きっときっと評価を変えていただけるはず。
さらに途中から出てくるある人物。これがノエルのダンジョン攻略と成長に非常に良い影響を与えてくれまして、これは読んでのお楽しみ!
この作品の根底に流れるのはアッパーな賑やかさ。ベタなファンタジーRPGは好きですか?心躍る物語は好きですか?キレのいいボケとツッコミは好きですか?
この作品は、きっとそれら全ての欲求を満たしてくれます。
追記)
個人的にはノエルさん大変好みなので、もう少し掘り下げてくれますと……いや、その後か番外編か前日譚を下さると……いえ、戯言失礼しました。
パーティーリーダーであるノエルが、ギフト【浪費家】を持つが故にパーティーから追放されてしまう所からお話が始まります。
その後ノエルは、金策と迷宮のギミックに苦労しつつ、他のギフト【器用】【俊敏】【激運】を駆使しながら迷宮の地下40階を目指していきます。
追放系の多くは、追放した側が酷い目に遭うオチがつきますが、このお話は追放した側の成長と人間関係の変化も垣間見る事が出来ます。
また迷宮のモンスター視点のお話も描かれており、日本のサブカルチャーに造詣が深い迷宮管理者とノエル達とのゆるーいやり取りは一見の価値ありです。
迷宮の地下40階には何があるのか。何故こんな迷宮が現れたのか。
是非読んでみてください!
私は、この物語を読んで「勇気」をもらえました。間違っているかもしれませんが、作者がこの物語に込めたかったメッセージは「与えられたカード」で頑張ることの大切さだと思うからです。
この物語は、一言でいえば「テンプレ」小説です。主人公は能力いっぱいもらえるしチートと言えばチートなんですが、その能力の1つに「浪費家」というものがあります。これが、物語の「キー」なんですよね。ね、ちょっと私の言いたいことわかるでしょ?
そして、ノエルは結構「ロク」な目に合わないんですが、それをモノともしない性格なんですよね。こういう性格こそが「勝利者」の性格なんですよね。相場の世界に生きているとわかります、ほんと、ノエルみたいな性格の人多いです。まぁ、私は違うんですがw
ということで、「与えられたカード」を駆使して頑張る「ノエル」の「テンプレ」ぽいけど「テンプレ」じゃないファンタジー、是非読んでみてください!
読み始め、この作品はよくある追放ざまぁ系の
作品なんだろうなぁ……と読んでいました。
しかし違った。
主人公・ノエルが持つ能力『浪費家』。
この力が一味も二味もこの作品に影響し、
そして物語を、作り出す。
この作品の魅力は、なんと言っても登場人物の描写。その関係性から生まれるストーリー。
迷宮のギミックや、そこに存在する『管理人』と呼ばれる存在。
それらがまた、ワクワク感を沸き立たせる。
まるで、自分がその場にいるかのような臨場感を体験しながら、張り巡らせた伏線やノエル達の生き様に、どうしても期待してしまう自分がいる。そんな作品。
ぜひ、皆さんにもご一読してほしい作品です!
一つの物語を、複数の視点から見る構成が目新しくて楽しい!
なのにキャラクターたちの魅力に牽引され、するすると読み進めてしまえます。
同じ舞台でも視点が変わるとガラリと雰囲気が変わる快感を、ぜひ味わってほしいです。
そして主人公のノエルがとにかく魅力的なのです。
無口で勇敢、でも頼りなさや臆病さもあり、単に「かっこいい」とか「かわいい」というだけでなく、「ノエルらしさ」ともいうべき息遣いが感じられます。
「彼ならこんな時、きっとこんなふうに思うのだろうな」と想像できるほどリアルに感じさせるキャラクターは珍しい。
意表をつく突拍子もない行動も多いのですが、彼なりの筋の通った理由があるのだろうと納得させられます。
読めば間違いなく、小説のキャラクターとしてだけではなく、一人の生きた人物として好きになることでしょう。
それを取り巻く生き生きとした登場人物(?)たちのとの関係性がまた楽しい!
登場人物一人一人ににとって、それぞれ別のノエルがいるのがわかります。
駆け出し冒険者たち、宿屋や商人、ギルド長や職員たち、クズ拾いの子供たち、どれひとつとってもノエルとの関係は同じではないのです。
特に、一番独特の関係性を持つ「管理人」とのやり取りに、いつも嬉しくなってしまいます。
作者さまの仕組んださまざまな巧みな仕掛けに、まんまとハマってしまいましょう。
ダンジョンを探検するようなワクワク感を味わえることでしょう!
ローグ(ならず者)の称号を持つノエルは、類稀なる四つものギフトを授かった冒険者。
その四つとは、器用、俊敏、激運、浪費家……いや『浪費家』って、ギフトなのか!?
そう、他の三つをカバーして余りあるこの有難迷惑能力のおかげで、彼は不治の金欠病。
そのためもあって、早々にパーティから追放されます。彼が一番経験豊富で、リーダーなのに……そんなことして大丈夫?(反語)
この物語の特徴であり、最も気になる存在が、しゃべるホネ。いえ、骨の面を被った謎の『管理人』さんなのですが。どうやらダンジョンの管理をされているようですが、その周辺にはなんだか妙〜に馴染みのあるアイテムがちらほら…
管理人は一体何者か?
リーダーを追放したお子ちゃま冒険者たちの運命は?
浪費家能力に使い道はあるの?
あと、タグもいろいろ気になるんですが??
謎のたっぷり詰まった、先が気になる迷宮ストーリーです! この先は、一体どこへ繋がっているんだろう……