呪胎

意味深ながらも途中までは穏やかな雰囲気から始まりますが、段階を踏んで後半一気にホラーが加速します。むしろ最初の幸せ感で上げた分、急降下具合が堪らないです。

読み終わったとき、これをもうちょっと膨らませてひとりひとりの結末を各１話構成にしてみてもいいのでは、と思いましたが、敢えてこの構成だからこそ恐ろしさが伝わるのかな、と思い直しました。
一人の不幸を語る度に一歩ずつ恐怖が進むこのテンポは、短編だからこそだと思いました。

ラストはホント、おぉっ…！って感じました。
想像の中で背景が赤と黒になりました。
素晴らしいホラーです。

・こんな人におすすめ
　インパクトのあるショートが読みたい人
・個人的にここが良い！
　文体
・読後の満足感
　まん丸　Σ('◉⌓◉’)
・感想
　宙に浮かぶ白いソックスのインパクトが強くてヒヤヒヤしながら読みました。
　主人公は幸せな状況下にいるのになんでこんな物語の始まり方？　その部屋で過去に何かがあったとしても、なんでこのタイミング？
　序盤で読み手を引きつけて、ラストで衝撃を与える作品を書きたい人はぜひ参考にしてほしいです。