雲のような君と手を繋ぐ

百人に一人の割合で生まれる魔法使い。
魔力を発現した者は大人になるまで学院都市に集められ、学園都市の一学生として日常を過ごしながら、魔法の扱い方を覚えていく。
私達、魔法使いはその学院都市で実力者となることで、将来における確実な地位を約束される。
そんな中、私【釧灘　火之果】は学院都市の中でも強かった。
理由はただ一つ、学院都市に通う学生でも類稀な魔力を持ち、魔法の制御も高いレベルで行うことが出来る上、扱う魔法の何れもが強力だったからだ。
そんな事情もあり、周囲の先生や学生も私は学院都市における有名人だ。生活にこそ不自由はないが、退屈な学生生活を過ごしていた。
しかし、そんな私にも転機がやってきた。その人は魔力を持ちながら魔法が使えない……それでいて、誰かを助けようとする変わり者の学生だった…続きを読む