第15話 クリスマス③

真央とイルミネーションに行った帰り

駅のトイレに行った真央のことを待ちながら

駅を歩く人たちを眺めていた


ふとその時目の前を通った一人の少女の横顔を見たとき嘘なんじゃないかと思った

向こうも俺に気づいたようでピタリと足を止めた

その少女はこちらに近づいてくると

「奏太だよね?」

そう言って話しかけてきた

りん……」

「久しぶり!元気してた?」

「まあ」

あのころと違ってロングに伸ばしたその少女は笑顔で話しかけてくる

でも俺にとっては苦痛でしかなかった。だって凜は最悪な別れ方をしただから

「連絡しても返してくれないから心配してたんだよ――っていっても私のせいだから無視するのも当たり前だよね。本当にごめんね。でもねあれは本心じゃないの。」

本心じゃない?あんなこと言っておいて

「もう遅いかもしれないけど説明させてほしいの」

そう凛が言ったところでトイレから出てくる真央の姿が見えた

俺は凛から逃げるように

「ごめん。今友達来ちゃったから。また今度」

「分かった。あとで連絡するね」

ごめん。連絡返すかは分かんない

でも俺は今すぐこの場を去りたかったから嘘をつく

「うん」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転校してきた美少女に懐かれた件 ういうい @uiuioo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ