第2話 日常の変化

真央と出会った次の日の朝

「奏太君おはよっ!」

「真央もおはよ」

真央はカバンを机の脇にかけた後、自分の椅子を俺の席に向けて座った

「スマホ何見てるの?」

「星座占い」

「えっ!奏太君って占いとか見るタイプだったんだね」

「そう。ちなみに俺の今日の運勢は最下位。何しても上手くいかない日だってさ」

「めっちゃありがちなやつだね」

「真央も星座占い見る?」

「みたいみたい!」

スマホを覗くために真央が身を乗り出してきた。距離が近くなると真央の顔がよくわかる。白い肌に整っている顔そして背中まで伸びたサラサラな金髪。やっぱり綺麗だなと思う。

「何座?」

「おうし座!てか一番上にあるじゃん!」

「1位で何しても上手くいく日だってさ。俺のと正反対だね」

「ふーんじゃあ今日は二人でいようよ。そうしたら2人合わせてちょうどいい日になるんじゃない?」

「二人でって、そしたら真央が損するだけにならない?」

「私は星座占いよりも奏太君と一緒にいれる方がうれしいよ」

そう言われて一瞬勘違いした考えが浮かんでしまいそうになるがさすがに友達としてだろう

「俺も真央と仲良くなりたいし移動教室とか一緒に行く?」

「行きたい!」

そんな話をしているといつの間にか離れたところから俊が見ていることに気が付いた。目が合うと俊がジエスチャーでこっちにこいと合図を送ってきた

「あ、ごめんちょっと席外すね」

「うん!」

俊のところに行くと

「奏太が女子と仲良くなるなんて……しかも相手は転校生。俺はすごくすごくうれしいぞ」

「俊にとって俺が女子と仲良くなることはそこまで嬉しいことなんだな」

「ああそうだ。そういえばどうやって転校生と仲良くなったんだ?昨日は休み時間ずっと俺の席にいたよな?」

そして俺は昨日のことを簡単に説明した

「なるほどなーそれで愛沢さんは奏太に惚れたってわけかー」

「なんでそうなるんだよ」

「さっきだって二人でいたいって言われてたじゃん」

「それは友達としてだと思うよ」

「まあ奏太には女心はわかんないか」

「お前女だっけ?」

「まあ奏太に女友達ができたことはいいことだし、今度俺にも紹介してくれよな」

「ああ」


3時間目が終わり、朝真央と話してたことを思い出した。次は移動教室だから誘おうと思ったが、女子のグループの中で楽しそうに話している真央が見え、俊でも誘って行こうかと席を立った時

「奏太君まって!私も行く!」

真央はそう言うと話してた人たちに「先教室行っとくね!」と言い残して行った

廊下に出たところで気になってたことを聞いてみる

「みんなと行かなくてよかったの?」

「だって朝約束したじゃん!これでも私結構楽しみにしてたんだよ」

自分との時間を楽しみにしてくれていたことを知りすごくうれしくなった

「そういえば次の教室って美術室だよね。席って決まってる?」

「席は自由だよ」

「じゃあ隣に座ってもいい?」

「俺でいいなら」

「やったー!あ、けど朝話してた男子も来る?」

見られてたのか……

「あいつは彼女の隣に座ると思うけど4人で1つのテープルを使うことになるから、もしかしたら一緒になるかも」


俊の彼女は別のクラスなのだが美術の時間は1組と2組で合同して行われている。1組が俺たちのクラスで、2組が俊の彼女がいるクラスだ。よく俊たちのグループに入れさせてもらっている俺は俊の彼女、佐藤小花さとうこはなに話しかけられることがあるのだが何かとテンションが高くていつも俊に助けを求めてしまう

「まだ皆来てないみたいだね」

「どこ座る?」

「じゃあ後ろの席がいい!」

誰も来てない教室で横に並んで座る


少しすると俊と小花がやってきた

「ここ座ってもいい?」

「おう」

「二人きりのところわりーな」

にやにやと視線を向けてくる俊に対し

「かなっち隣の美少女だれ!?もしかして彼女?あんなに女子にそっけなかったくせにこのこの~」

と頬をつんつんと突いてくるのは小花だ

「おい、奏太も困ってるだろ」

「だってさーいきなりかなっちが女子と仲良くしてたらびっくりするでしょ」

「まあ俺もびっくりしたけどさ。ちなみにこの子は転校生な」

「愛沢真央です。二人とも仲良くしてねー!」

「俺は中村俊なかむらしゅん、よろしくな!」

「私は佐藤小花よろしくね!てか真央ちゃんの髪超かわいいんだけどーそれって地毛!?」

「うん!地毛だよハーフなんだ」

「本物の金髪美少女じゃん!めっちゃ尊い」

「ありがとーでも小花ちゃんもポニテ似合っててかわいいよ!」

「性格まで美少女とか!まじで女の私が好きになりそう」

その後授業終わるころには二人は仲良くなっていた

「あとでLINE交換しようね!」

と言い残し佐藤は自分の教室に帰っていった


授業が全部終わりバックに教科書を入れていると――

「奏太君一緒に帰ろ!」

「いいけど家どこら辺?」

「昨日会った公園の近くだよ奏太君は?」

「俺も大体そっちの方かな」

「そうなの!?じゃあ結構家近所なんだね!」

「じゃあいこっか」

「うん」

学校を出て少しすると

「ねえ奏太君って女子とはあんま話さないの?」

「どうして?」

「だって奏太君と私が一緒に座ってるの見て小花ちゃん驚いてたしクラスの女子にもめっちゃ聞かれたよ普段は女子と距離置いてるのになんでとか」

「それは……女子だと緊張して話せなくなるから」

まだ真央には話したくないと思った。嫌いとかではなく昨日出会ったばかりなのにずっと前から仲が良かったようなそんな今の距離感が好きだから、今はまだ言わなくていい。

「そっか……」


「着いたよここが私の家!」

昨日の公園から歩いて10分くらいのところに真央の家はあった。大きくて立派な家で庭もあり玄関にはたくさんの花が育てられていた。

「じゃあまた明日!」

「ばいばいー」


真央side

私にはお姉ちゃんがいる。とても美人で大学でもモテてお家に彼氏を連れてきたこともある。そんなお姉ちゃんに相談があるといい私の部屋まで来てもらっていた。

「真央が相談なんて珍しいね」

「恋愛について相談なんだけど……」

「もしかして好きな人できたの!?」

「うん」

「青春だね~相手はどんな人?」

「まだ昨日出会ったばかりなんだけどナンパから助けてくれて性格もすごく優しい」

「あ!それってお母さんが言ってた!好きになったきっかけはそれなんだ」

「うん」

「じゃあ顔は?」

「すっごくイケメン!それでね男の子を好きになるのって初めてだからどうしたらいいのか分かんなくて」

「なるほどね~もう告白しちゃえば?」

「むりむり!!」

「なんで~真央ならかわいいし大丈夫だって!それにそんな高スペックな男子油断してたら取られちゃうぞ」

「それが、女子と仲良くしてないみたいで女友達私だけみたいなんだよね」

「それってもう相手の子も真央のこと好きなんじゃなくて?」

「今日帰るとき聞いたんだ何で女子と距離をとるのか、そしたらすごく悲しそうな顔で女子と話すと緊張するからって言っててなんか私いけないこと聞いちゃったかなって、その後はなんか元気なさそうな顔してたしやっぱりな他に理由があるのかな」

「それはなにかあるね。昔女関係でなんかあったのかもしれないしわかんないけど」

「このまま告白して振られるのは怖いしどうしたらいいのかな」

「とりあえずもっと仲良くなることじゃない?まだ会って2日目なら焦ることないよ。諦めないでその人の傍に居続けてたら、いつか自分の事を教えてくれるんじゃないかな。それに告白して振られたとしても押し倒しちゃおう!真央に誘惑されて耐えられる男子なんていないから」

「最後のは余計!けどありがとうまずはもっと仲良くなってみる!」








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