第3話 新しい日常

12月の上旬。季節は冬となり外は雪が降り続いている

1時間目の休み時間、真央と俺は窓の外を眺めていた

「今日雪すごいねー」

「ニュースで見たけど3、4年に一度の大雪らしいぞ」

「なんでこんな日に学校があるんだ!って感じだよね」

「まあ朝はあんまり降ってなかったからな」

真央と出会って1カ月が経ち、最近は二人でいることが日常になって来ていた

といっても真央のほうは人気があるので休み時間に話せない時もあるが

「ねえねえ、前に奏太君がナンパから助けてくれた時ママが家に来ないかって言ってたじゃん?迷惑じゃなかったら遊びにこない?」

そんなこともあったなとふと思い出す

「じゃあ遊びに行こっかな」

「本当!?いつオッケーかママにLINEしとくね!」

「真央の部屋オシャレなんだろうな~楽しみだな~」

「来る前からハードル上げないで!!」

そんなことを言いながら二人は無邪気に笑った


「じゃあ行こっか」

昼休み。俺と真央は教室を出て空き教室へ向かう

「今日も寒いねー」

「今日は雪も降ってるからな」

俺たちは最近昼休みを空き教室で過ごすことが多くなっていた

教室だと二人でご飯を食べてる時に視線を痛いほど感じて食べにくいので空き教室に来るようになった

「それにしても真央のお弁当美味しそう」

「食べる?」

「いや悪いよ真央の分がなくなる」

「じゃあ交換しない?奏太君の卵焼き食べてみたいし」

「そしたら俺も真央の卵焼きもらおっかな」

お互いの卵焼きを交換する

「じゃあいただきます」

「いただきます」

「真央の卵焼きは甘くて美味い」

「奏太君のふわふわで美味しい!」

「これ真央のお母さんが作ったの?」

「うん!」

「料理上手いんだな」

「すっごく上手!私もママみたいに料理上手くなりたくて休みの日とか教えてもらってるんだよね」

「え、真央も料理できるの?」

「少しなら出来るよ」

1カ月一緒にいたが真央が料理できるなんて知らなかった

「いつか食べてみたいな真央の料理」

すると真央は顔を赤くして「いいよ」と小さな声でポツリと呟いた


お弁当を食べ終わると

「あ、ママからLINEの返信来てる!今週の土曜はどう?だって!」

「平気だよ」

「やったー!ママにもそう伝えとくね!」

俊以外の友達の家に行くのは久しぶりなのですごく楽しみだ


真央side

金曜日の夜。お姉ちゃんに奏太君がお家に来ることを報告した

お姉ちゃんは明日友達の家に泊まりに行くらしく「会いたかったのに残念」と悔しがってた

ママは私のことを助けてくれた奏太君に相当感謝してるらしくケーキを買ってきたりと準備に張り切ってる

だけど午後からはおばあちゃん家に行くみたいで――

(つまり午後は二人きりってことだよねっ‼)

自分の部屋で奏太君と二人きりということを考えるだけで色々妄想してしまう

そんな自分を落ち着かせながら明日への期待を膨らませる真央だった















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