第6話 離れる距離(真央side)
家に泊まった日から奏太君は私を避けるようなっていた
前までは一緒にお昼を食べるのが普通だったのに、今では昼休みになると一人でどこかに行っちゃうし休み時間も話しかけようとするとすぐ中村君の席に行ってしまう
美術の移動教室の際も前までは奏太君と私と中村君と小花ちゃん4人で楽しくやってたのに最近では他のグループに行ってしまっていた
そんな様子に中村君と小花ちゃんも不思議に思ったのか
「最近かなっちどうしたんだろうねー」
「な。前までは4人で一緒にやってたのに。そういえば愛沢さん最近奏太とは話してないの?」
「うん。なんか避けられてるっていうかLINEも既読つかないし」
「かなっちが!?」
「確かに最近あいつの様子が少し変かもな」
「どういうとこが?」
「あいつ、女苦手なのはわかるよね?まあ愛沢さんは別だけど」
「うん」
「けどこの前奏太が廊下で何人かの女の先輩と話してるのを見かけてさ、あの奏太が!?って感じじゃん?」
「まじで!?」
小花も驚いてるなか真央の心境は複雑なものだった。(奏太君が私以外の女子と話してた?女の先輩って誰?どういう関係?)
「愛沢さん奏太となんかあった?」
「ちょっと俊。直球すぎ」
「わりぃちょっと配慮が足りなかったわ」
「平気だよ。それで心当たりはいくつかあるんだけど……」
キーンコーンカーンコーン
そこでチャイムと同時に美術の先生が入ってきた
「詳しいことは昼休みに話すね。それと中村君には悪いんだけどできれば小花ちゃんと二人っきりで話したいんだけどいい?」
「ああ。女同士でしか話せないこともあるだろうしな」
「ありがとう!」
昼休み
授業が終わると、まず小花ちゃんにLINEをする
(お昼食べ終わったら4階の空き教室に集合で大丈夫?)
すると1分も経たずに返信が来た
(おっけー!)
いつもより早く食べ終えた真央は急ぐようにして空き教室に向かった
教室についてから5分くらいすると小花はやってきた
「じゃあ、何があったのか聞かせてもらえるかな?」
奏太君が家に遊びにきたことから泊まったことを話す
「そんなことがあったの!?」
「……うん」
自分から言ったのに少し恥ずかしい
「それで真央ちゃんの言う心当たりってその日にあった事なんだよね?」
「そうなんだけど、少し恥ずかしいというか勝手に言っていいのか分かんないんだけど……」
「なになに気になるー!」
「私が奏太君の膝に乗ったら生理反応が起きちゃったみたいで、それについて見てないふりはしたつもりだったんだけどあれから奏太君の様子おかしいしやっぱりそれのせいなのかなーって」
こんなに早口で話したのは初めてかもしれない
あの時のことを思い出したせいか顔が熱くなってきた
「そんなことがあったんだーって!?それ結構やばくない!?」
「だよね……」
「もっと詳しく聞きたいとこだけど、その前に真央ちゃんってかなっちのことどう思ってるの?」
一瞬迷ったけど小花ちゃんは言いふらしたりしないはずだから正直に話そうと思った
「一人の男の子として好き」
「やっぱりそうだったんだー!」
「やっぱりって!?」
「だってかなっちと一緒にいるときの真央ちゃん顔めっちゃ甘々で好意バレバレだったよ?」
「うう、恥ずかしい」
「それなら今かなっちがこうなってるってことは真央ちゃんのことをしっかり異性として意識してるってことだしある意味良かったんじゃない?」
(そっか、意識してくれたんだ)
「けどこのままはいや……」
「だよねーどうしよっか」
小花は少し考えたあとに
「思いついたんだけど、明日って空いてる?」
「うん!思いついたのって?」
「それはね――」
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