まずとても読みやすい。1話の文字数が少ないのにもかかわらず満足する内容。読者を引き込む綺麗な言葉遣いも非常に良かったです。感情の表現だったりが読んでる私にも染み渡るように伝わってきて、読んでいて色々な感情が心を駆け巡りました。才のある文章。とても素晴らしい作品でした!
はじめに言い訳を。自分の読書量は決して多くなく、いわゆるジャンルというものの線引きにも関心がないので、とても当然の事を書いているかもしれません。次に釈明を。ひとこと紹介は全力で褒めています。それだけ。文章を読んでいて、これほど「楽」だと思う事はそんなになかったです。読む。頭に入れる。それだけで内容が頭の中で展開できて、こちらに体力と思しきものを使う実感もなくイメージができました。人に根付いており、人を中心としてしっかりと重力と温度のある世界を文字で表現できていて、自然と目が続きを求めてしまう作品です。
純文学とは何か、それを追求するのがその真実かもしれないと読みながらずっと考えていました。私の純文学への旅の始まりはこの作品です。この作品を読んで感じた一番の心の揺れは動揺と孤独と愛。人を愛するとは何か。それを考えたことがこの作品へ費やした時間への対価ではないかと思いました。
もっと見る