捨てられたおっさん<コグマ>と、拾われた女子高生<大虎>のお話 京衛武百十
古隈明紀(こぐまあきのり)は、四十歳を迎えたある日、妻と娘に捨てられた。元々好きで結婚したわけでもなくただ体裁を繕うためのそれだったことにより妻や娘に対して愛情が抱けず、それに耐えられなくなった妻に三下り半を突き付けられたのだ。
財産分与。慰謝料なし。養育費は月五万円(半分は妻が負担)という条件の一切を呑んで離婚を承諾。独り身となった。ただし、実は会社役員をしていた妻の方が収入が多かったこともあり、実際はコグマに有利な条件だったのだが。妻としても、自分達を愛してもいない夫との暮らしが耐えられなかっただけで、彼に対しては特段の恨みもなかったのである。
こうして、形の上では家族に捨てられることになったコグマはその後、<パパ活>をしていた女子高生、大戸羅美(おおとらみ)を、家に泊めることになる。コグマ自身にはそのつもりはなかったのだが、待ち合わせていた相手にすっぽかされた羅美が強引に上がり込んだのだ。
それをきっかけに、捨てられたおっさんと拾われた(拾わせた)女子高生の奇妙な共同生活が始まったのだった。
筆者より。
中年男が女子高生を拾って罪に問われずに済むのはどういうシチュエーションかを考えるために書いてみます。
なお、あらかじめ明かしておきますが、最後にコグマと大虎はそれぞれ自分の人生を歩むことになります。
コグマは結婚に失敗して心底懲りてるので<そんな関係>にもなりません。
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目次
完結済 全106話
更新
- 捨てられたおっさん
- 拾われた女子高生
- 大虎
- 大虎には関わるな
- 趣味
- ディーノ246GTティーポM
- 確実な根拠まではないが
- そんなやせ我慢してないでさ
- 牧島金剛
- 悪目立ち
- 部屋の灯り
- 疑われただけでアウト
- スポブラくらいは
- 強かに生きていくタイプ
- 似たタイプ
- 未成年で何が悪いんだよ!
- 子供を買う大人
- オッサンのクセに……
- ウイークポイント
- 住み込みの家政婦
- 戦化粧
- ケバいメイクは
- 学校での大虎の様子はどうよ?
- 家族ごっこ
- 食の好みは合致しても
- 人間嫌いと人たらし
- そういうクルマ
- TN360型バモスホンダ(バモス4)
- お前、ロックだな……
- こいつのこういうとこ
- 腹ん中じゃ舌を出しながら
- <まともな親>なのかねえ……
- なんかこのクルマだったらアリかもな
- 大虎って言うな……
- 最高にバカになれる最高にイカれたクルマ
- 俺はカッコ悪いよな……
- 俺とだから嫌じゃない
- 成人年齢
- グルーミング
- 良好な関係を築けてれば
- 俺の人生は俺自身のもんだ
- 欲しいもの
- 有り得ない
- 本当にままならん
- 自制心も知能も足りねえ大人のなりそこない
- あくまでその当人を見る
- 可愛い子供
- そもそも頑として断っとけば
- ありがとうな
- 仮の親子
- オレの前で他の奴を気遣うな!
- 今の羅美の<素>
- 好きになった相手がたまたま
- 親にとって完璧に都合のいい子供
- 他所様の子供を
- 『どうしよう……』と思わされることの連続
- 命を尊重しろなんて綺麗事だ!
- <優しさ>なんかじゃない
- <アリバイ>が必要
- 真っ向から否定してる
- 子育てなんてできるはずがない
- 結婚に価値を見出せない自分にこそ
- 高校を卒業
- 裏マニュアル
- 通信制の高校
- 通信制もやってるよ?
- 年越しラーメン
- そういう社会の是非について
- なんでお前みたいな奴のために
- 保護者の間でもいろいろ
- こんなこと言われて嬉しいか?
- 他者をサンドバッグにして
- もしかして娘さんからか?
- てめえがやらなきゃいけねえこと
- 加害者側に回ることは成功を担保してはくれない
- 可愛げのないクソビッチ
- それが俺も楽しくてよ
- ダセえ奴
- 憐れな奴がそれだけこの世には
- 労多くして功少なし
- 込み入ったことを訊いて……
- いい成長
- 実は一体じゃない
- 安らげる時間が必要だ
- できねえってんならてめえも
- 法を理解し守れや
- このくらい真剣に
- スクーリング
- 黒歴史
- こいつの父親、中卒なんだな……
- むしろ真面目に
- なにとぞ、よろしくお願いいたします
- 願書提出
- そんな愚かな時期を経験として経たからこそ
- 真っ先に羅美のことが
- あんな運転するような奴に
- 子供のおつかい
- 話によると
- 他所様の事情に口を挟むな
- もう嫌だ! 帰る! 帰るーっ!!
- 弱みを見せたくなかった
- うち、この子のこと
- さすがにビンボくさいな~
- 赤ん坊がいる普通の生活
- 自身の考えを客観的に見るために言語化してるだけ
- さあ、今日はどこに出掛けようかな
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