名は夜糸。宿命の星が彼女を捉えて離さず、その目を見た者は皆震え上がる。
- ★★★ Excellent!!!
舞台は架空の中華的世界。主人公の夜糸さんはいきなりドン底に叩き落とされますが、どんな場所にも彼女の知力と胆力、それらが生み出す独特の人間的魅力を嗅ぎ分ける聡い者はいるわけで、彼女の頼れる仲間となって支え合い、最悪とも思える状況をギリギリのところで切り抜けていきます。
落ちるところまで落ちた者たちの吹き溜まり、人を人とも思わぬ過酷な荘園では、敵や味方やも知れぬ奇人怪人達が取り仕切り、裏切りは日常茶飯事、ぼんやりしていると死んでいるという地獄のような環境ですが、どうやらここに反逆の糸口があるのもまた確かなようで、各人の動向から片時たりとも目が離せません。
しかし、では結婚が成っていれば幸せだったかというと…一方その頃、伏魔殿と化した宮廷では魑魅魍魎のごとき暴君佞臣が跳梁跋扈し、ドロドロの陰謀劇が繰り広げられるという有様…。
この世界に夜糸さんがどう関わり、どう変えていくのか…そしてもう一つの主人公であろう、徐々に頭角を現し始めている李遠さんが彼女とどんな関係を結んでいくのか、とても気になります。面白いです。オススメです。