架空の中華風の世界で、幸せな結婚を夢見た夜糸という少女は、過酷な運命に突き落とされる。命さえも危うい状況から、持ち前の知性とバイタリティで苦難を乗り越えていく。その一方で、王宮では様々な思惑が絡み合い凄惨さを極めていく。
連載開始からずっと読み続けていますが、三国志を彷彿とさせる重厚な世界観と、そこに生きる登場人物達の生き様に圧倒されっぱなしです。こんな奥行きのある物語に出会えたことに感謝したいくらいです。
中華風というだけあって、固有名詞がどうしても漢字になる。だから、ひらがなを多く使うという気遣いが素晴しい。簡潔でみずみずしい文章は、美しい情景も凄惨な情景も残酷なまでに脳裏に焼き付けていきます。何度涙し、何度鳥肌を摩ったことか。
物語はこれから恋愛編へと突入するようです。
これに恋愛が絡むのか!今からドキドキワクワクです。
毎週火曜日更新なので、意外と早く追いつけるかも知れません。中華風の物語が好きな方は、お見逃し無く!
それぞれ復讐を胸に誓った主人公と軍人、ふたりを巡る愛憎の物語です。
主人公は皇太子へ嫁ぐ予定だったが、妹に不妊だと暴露され、その縁談は妹のものになってしまう。
さらには皇太子本人と両親からも捨てられ、静かに復讐を誓う。
そんななか、皇太子付きの軍人は彼女を成長させるために試練を与えることに。
主人公が次々と与えられる試練にどう立ち向かっていくのか、気になるところです。
中華風歴史モノということで内容は重めですが、ところどころひらがなを使うなど工夫されており、本文はとても読みやすいです。
周囲の人々の手によってどん底に叩き落された主人公の心情変化の描写に胸を強く打たれました。
「骨の髄まで冷え切ったとき、ふっと梅の香りが鼻をうつ」※ひとこと紹介文の和訳です。
苦難の先に、彼女らが見る景色は果たしてどんなものなのか。
舞台は架空の中華的世界。主人公の夜糸さんはいきなりドン底に叩き落とされますが、どんな場所にも彼女の知力と胆力、それらが生み出す独特の人間的魅力を嗅ぎ分ける聡い者はいるわけで、彼女の頼れる仲間となって支え合い、最悪とも思える状況をギリギリのところで切り抜けていきます。
落ちるところまで落ちた者たちの吹き溜まり、人を人とも思わぬ過酷な荘園では、敵や味方やも知れぬ奇人怪人達が取り仕切り、裏切りは日常茶飯事、ぼんやりしていると死んでいるという地獄のような環境ですが、どうやらここに反逆の糸口があるのもまた確かなようで、各人の動向から片時たりとも目が離せません。
しかし、では結婚が成っていれば幸せだったかというと…一方その頃、伏魔殿と化した宮廷では魑魅魍魎のごとき暴君佞臣が跳梁跋扈し、ドロドロの陰謀劇が繰り広げられるという有様…。
この世界に夜糸さんがどう関わり、どう変えていくのか…そしてもう一つの主人公であろう、徐々に頭角を現し始めている李遠さんが彼女とどんな関係を結んでいくのか、とても気になります。面白いです。オススメです。