精神は水となり、肉体は砂に還る。それでも、貫く意思は変わることはない。

同じ砂竜族シリーズの「砂竜使いナージファの養女」と関連付けて書かせていただくので、この御作品単体のレビューとしては不適切かもしれませんが、どうかご容赦ください〜m(_ _)m



水と砂にまつわる、竜、そして精霊が鍵となるこのダイナミックな世界観・死生観が通底する「ナージファの養女」「アースィムの訳ありな妻」、二つの御作品においてそれぞれ新鮮な切り口で、目覚ましい映像美を想起させる場面によって描かれている様は脱帽の一言です。
「ナージファ」の「黒の章」、「アースィム」の「死闘」、どちらのクライマックスも圧巻です!

作者様の文章の繊細さ、構成の緻密さはもちろんのこと、ストーリーの軸や登場人物の行動原理が、ブレずに駆け抜ける力強さを印象的に感じました。
二つの御作品は時代こそ大きく異なれど、やはり脈々と受け継がれるものが彼女ら、彼ら砂竜族をそうさせるのだと思わずにはいられません。

いずれもタイトルにはその名を冠されていない、主人公のアイシャさんやラフィアさんも、容姿・性格・出自、所属する氏族すら異なるにも関わらず、世界を巡るに足る器とでも呼ぶべき、一種独特の逞しさが、魅力として共通しているように思います。
ラフィアさんに至っては厳密には砂竜族ではない降嫁した皇女、どころか◯◯◯の◯なのですが、彼女も砂竜族としての精神性を確かに共有しておられる…やはり「水となり世界を循環している」、これに尽きるのではと思われます。



もちろん「訳ありな妻」は単独で面白い御作品なのですが、かと言って「ナージファの養女」を読まれないのは勿体ない…できればどちらも、なんならまずどちらかでいいので読んでいただきたい…そんな気持ちで書いたら、よく分からないレビューになってしまいました…汗 とにかくおすすめの御作品、そしておすすめのシリーズです!

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