水に恵まれたマルシブ帝国の皇女ラフィアは、水と会話が出来ると噂のちょっと変わった皇女。
生まれ育った後宮では少し窮屈な思いをしていたラフィアですが、降嫁して砂竜族の族長の妻となります。
初めての砂漠での暮らしはラフィアにとって新鮮そのもの、いろんなものに興味を持つのですが、夫となったアースィムはあまりラフィアに関心がない様子で……?
この作品は作者様の描かれる人気シリーズ『砂竜使いナージファの養女』とおなじ世界で、過去の時代のお話です。
他の砂竜使いシリーズをご覧の方はもちろん、今作品が初めての方のもおすすめです。
広い砂漠と砂竜、そこに住まう人々、繊細で丁寧に綴られてゆく描写に魅了されると同時に、この先なにが起きるんだろうというワクワク感。そしてラフィアとアースィムの愛。
心優しく、純真な皇女ラフィアを応援したくなること間違いなしです!
帝国の忠臣・砂竜族の白の氏族長アースィムに降嫁した皇女ラフィア。
ちょっと不思議な力を持った変わり者皇女さまは、初めての砂漠に住むことに対する不安もなんのその! 今まで感じたことのない砂漠の空気の熱さや感触、新しい土地での生活にワクワクしちゃう、前向きな女の子です。
そんなラフィアの夫アースィムは、なぜか妻に対して壁がある美男子(ここ重要!)。
ラフィアはモヤモヤしつつも、自分の居場所を作ろうと奮闘するのです。
いつもながら、風景描写や心理描写がとても丁寧。
ラフィアの気持ちに寄り添いながら、砂竜族でのあれこれを楽しめます。
可愛くて頼りになる砂竜がいじらしくって、幼竜がこれまた可愛くって!
アースィムの抱える事情はおそらくまだ深く、オアシスでの出会いが誘う運命が明らかになるのもこれからでしょう。
今後の展開に、そして溺愛の加速に! 期待大な作品です。
ぜひラフィアと一緒に、アースィムと砂竜のいる砂漠へ踏み出してみてください。
お勧めします(^^)/!
『砂竜使いナージファの養女』から約125年前を舞台にした外伝的作品。
変わり者と呼ばれる皇女ラフィアが降嫁したのは、砂竜族である白の氏族長の長男アースィム。
常に平静を崩さないアースィムに自身が愛されているか分からず、白の氏族たちにも受け入れられているか不安なラフィアに降りかかる苦難……。
人気シリーズ『砂竜使いナージファの養女』と同じ世界観の過去を描く作品。
乾いた砂漠のなかで瑞々しい人間の心情が輝く世界観と、それを紡ぐ文章は円熟の境地に入っています。
砂漠に暮らす人々の生活のリアリティ、小さなコミュニティでの心の機微など、五感を通して語りかけてくる世界は圧巻。
でも難しいことは考えず、イケメンだけど何を考えているか分からないアースィムと、不思議な力を持つが故に孤独に身を置くラフィアとの、ハラハラ、ドキドキの物語を楽しめばいいと思います。
心のままに楽しめる舞台は整っています。
あとは、ラフィアとアースィムの愛情が本物か見届けるだけ!
皇女ラフィラは砂漠の遊牧民に嫁入りしました。でも、夫は他人行儀な態度で夫婦としての関係を築いてくれません。
ラフィラには不思議な力があるのですが、その為後宮では誰かと親しくなることもなく、寂しく窮屈な生活を送っていました。砂漠での生活は好奇心旺盛なラフィラに希望を与えるものでした。でも、そんなラフィラの気持ちを知らず夫のアースィムは・・・。
飾らないまっすぐな性格のラフィラは素敵な女性です。こんな素敵な女性が傍にいるのに、アースィムったら!と途中イライラしてしまいます。イライラしちゃうくらい、ラフィラに感情移入させられてしまうのです。
磁器のように繊細で優美な文章は、砂竜と暮らす砂漠の生活を生き生きと描き、そこで交わる二人の心を鮮明に浮かび上がらせるのです。
心躍る恋愛物語。是非沢山の方に呼んでいただきたいです。
皇女ラフィアは、後宮《ハレム》で育った。権力闘争に興味はなく、願いは、自由。
後宮を飛び出して、物語でしか知らない、広い世界を見てみたい……。
このたび、手柄をたてた白の族長に「褒美」として皇女ラフィアは降嫁した。
さあっ! 楽しい砂漠生活よ!
わ! 砂竜! 触りたい!
んまあ! 糞! え? 燃料なんだ。じゃあ掴み上げて……。
なんで、美形の夫は、優しい表情だけど、こんなによそよそしいのかしら?
夫婦の温かい心情のつながりなんて、感じない……。
くすん。
自由に強く生きようとする皇女ラフィアが可愛らしく、応援したくなってしまいます。
恋愛がなかなか進まず、じれじれします。
性描写チェック有りのこの物語。
ベッドインというより、心のこもったキス、という表現が近い気がいたしますが、とっても。
とって───も!
表現が素敵です。うっとりします。
おすすめですよ〜。
ぜひ、ご一読を!