固い信頼によって結ばれた夫婦のお話。

砂竜とともに砂漠で生きる、白の氏族。
その族長に嫁いだのは、自由に憧れる変わり者の王女でした。

主人公のラフィアは、皇女でありながらも、自由に憧れる一人の女性。世界観を考えれば変わり者。しかし、現代に生きる私達から見れば、等身大の女性として映るでしょう。知らない土地に心躍らせ、砂竜との交流を好み、そして一人の女性として恋をする……

この恋の描写なんですが、トキメキより安心、落ち着きを大事にされてるんだろうと思います。
ラフィアとアースィムは夫婦です。やはり夫婦であれば、相手を信頼して一緒に同じ時を過ごせる間柄の方が理想的。二人の愛は、ドキドキの恋というよりは、信頼と絆を感じます。読んでてとても心地好い間柄です。

そんな二人を引き裂く事件、そしてラフィア自身に襲いかかる苦難……最後の選択は、アースィムを想うが故のこと。
お互いを想うからこそのラストには、「あぁ、よかった」と心から思いました。

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