このお話は百合ラブコメとしてはもちろん、魔法や使い魔に加えてAIや仮想空間などのSF的要素も多分に活かされる、現代ファンタジーとしても楽しめるご作品です。
特にマジックサイバースペース内での、通常空間なら大破壊を引き起こしかねないほどの大規模魔法戦闘は圧巻です!
しかしそれは皆様の目で確かめていただくとして、私はラブコメの側面にフォーカスしたいと思います。
主人公の優しく天然な女の子・川本かすみさんにとってのメインヒロインと目される人物は、二人おられると拝見いたします。
一人目は、かすみさんの親友であるソフィア=グレヴィリウスさん。貴族のお嬢様で、どこへ出しても恥ずかしくない金髪美少女なのですが、性格はとてもフランクで、かすみさんのピンチに颯爽と駆けつける姿は、むしろ白馬の王子様のようにカッコイイ!
そんな彼女も時には嫉妬に狂って精神的に不安定になるのですが、仕方ないのです。お二人の素敵な出会いのシーンをご覧になれば、ソフィアさんがかすみさんの優しさに惚れ込んでおられる理由が分かるでしょう。
そして二人目は、その盤石にも思えるソフィアさんすら「衝撃的な登場」によって揺るがす、魅惑の養護教諭・白姫蛇子先生!
この物語は様々な人物の視点によって進んでいくのですが、読者に対しては二話目でその正体が明かされる彼女こそが、もう一人の主人公のような立ち位置なのではと思われます(あくまで私の私見です)。
女は秘密と嘘でできているとか、女は秘密を着飾って美しくなるとか言いますが、先生だって例外じゃありません。会って早々にかすみさんをメロメロにしてしまいます。
ただこの人、素の性格があまりに可愛過ぎる! 百合雑誌を読んでニヤニヤし、コンビニチキンばっかり食べて健康面を心配され、生徒たちからも普通に慕われる、そんな先生なのです。
「すげえ天然」「名前からして怪しすぎる」「(プライベートに対して)しょーもない日常」「世話が焼ける」「体が目当て」「正真正銘の変態教師」とボロクソ言われる彼女ですが(笑)…最後の最後の結末まで、先生を信じてあげてください!!
最後に警告です。男性読者諸兄、百合の間に挟まろうなんて邪なことは考えないように! あーっ、させないよっ! そんな奴には「ソフィアのための騎士団」送り込むから! 殲滅せよ! 焼き払え! ふはははは!
…えっ? 取り乱したって? 私が? 忘れなさい、今すぐに。そしてこのご作品を読むのです! 面白いのでオススメです!