概要
――受け継がれるのは、愛か憎しみか――
「人を斬らねば、私は生きられぬのか……」
江戸の泰平も豊熟の極みに達し、腐敗臭を放ちだした頃。
夜須藩御手先役見習い・平山清記は、自らの役目に疑問を覚えながらも、主君を守る太刀として藩法を破る無頼漢を斬る日々を過ごしていた。
そんなある日、清記は父の悌蔵に命じられ、中老・奥寺大和の剣術指南役になる。そこで出会った、運命の女。そして、友。青春の暁光を迎えようとしていた清記に、天暗の宿星が微笑む――。
寂滅の秘剣・落鳳。幾代を重ね、生き血を啜って生まれし、一族の魔剣よ。願いを訊き給へ。能うならば、我が業罪が一殺多生にならん事を。
第6回歴史・時代小説大賞奨励賞受賞作
江戸の泰平も豊熟の極みに達し、腐敗臭を放ちだした頃。
夜須藩御手先役見習い・平山清記は、自らの役目に疑問を覚えながらも、主君を守る太刀として藩法を破る無頼漢を斬る日々を過ごしていた。
そんなある日、清記は父の悌蔵に命じられ、中老・奥寺大和の剣術指南役になる。そこで出会った、運命の女。そして、友。青春の暁光を迎えようとしていた清記に、天暗の宿星が微笑む――。
寂滅の秘剣・落鳳。幾代を重ね、生き血を啜って生まれし、一族の魔剣よ。願いを訊き給へ。能うならば、我が業罪が一殺多生にならん事を。
第6回歴史・時代小説大賞奨励賞受賞作