筑前作品の多くは、様々なしがらみにとらえられている。とらわれている。身分であったり生まれであったり性分であったり義理や人情だったり。物語の中で語られるキャラの、またはキャラのそれらは「そういうものなのだ」という諦観とともに物語の中で弾け飛びださんとする圧力に満ちている。彼は、彼らは「そういうものなのだ」という立脚点と、そこから踏み出す一歩、いや、数歩を楽しんで欲しい作品だと思います。