さあ、次は何を叶えようか。弱さも強さも、そこに凝縮されている。

人生は、平等なんかじゃない。
その前提から物語は始まる。

不幸は意志を挫くし、恵まれないことは時に、その人の本質を縮こませてしまう。
眩ませてしまう。

では果たして、不幸が人の在り方を全て牛耳ってしまうのか?

この物語は読者に、そう問いかけてくる。

”さあ、次は何を叶えようか”

やりたいことが全部叶う薬を手に、主人公が未来を展望する言葉。

読了した時、作中のこの一節に、その問いの答えの全てが詰まっている事を、痛感させてくれる。

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