娘自身より娘を知る、母の偉大さ

子は自分が思うほど、母の自分に対する、暖かな〝マニアックさ〟を知らない。

母はそんな〝マニアックさ〟を、結構自覚できていない。

そして時々、とんでもない嗅覚で、子の危機を無自覚に察知してしまうのも母だ。

子は、親元を離れてその〝マニアック〟な暖かさに触れた時、初めて実感する。

母親は、偉大だ。

そして読了して、母がしみじみと、柔らかく、でもどこか寂しさを携えた笑みで、ダンボールに荷を詰める姿を勝手に想像して、勝手にうるりときている私がいる。

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