見ていてください、見誤らないでください。彼らの真意を、そして本質を。

読了してから何時間も経つのですが、いまだにざわめきが落ち着きません。ラストシーンを何度も読み返しては、その度に彼らのこれまでを思い返し、これからに思いを馳せて、止め処なく感情が溢れてきます。

まずは導入部を数話読んでみてください。この時点で引き込まれる方も多いでしょうが、「なんだ、チャラいイケメンが出てくる典型的な恋愛ものか」と思う方もおられるかもしれません…しかしそれはあまりにも早計すぎると言わざるを得ません。もう少し読み進めましょう。

中盤まで読み進め、ある程度話が見えてきたあたりで、「なるほど、こんな感じか」と判断する方もおられるでしょう…が、まだ全然浅瀬なんです。もっとこの『オオカミ属性』沼に嵌まりましょう。具体的には最終話まで。

終盤まで読み進めて、ようやく全てが明らかになり思うのは、人の心の重層性のなんと奥深く、一筋縄ではいかないことでしょうか。
しかしその複雑さと繊細さゆえか、彼らは誤解を受けやすく、また彼ら自身も自らの心を把握できていない場面も見受けられますが、多感な思春期ってそういうものですよね。その不安定さを経てようやく、大人になっていくのでしょう。

このまま書き続けると感想が何千字でも溢れて止まらないので、このあたりにしておきます。
『相模くんはオオカミ属性』、オススメです。

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